「文字」は、「ケイ線」、「色彩・アミ」と並んで帳票を構成する基本的な構成要素です。この3大要素のどれが欠けても、良い帳票を作成することはできません。前回は、この中で重要な要素でありながら、意外に軽視されている「ケイ線」について考えましたが、「文字」も帳票デザインにおいては意外なほど無関心に扱われているようです。「文字」が軽視される原因は、その第一の役割が「情報を伝達するためのもの」と考えられているからだと思われます。新聞、雑誌、書籍などから情報を得るために文字に親しんできた私たちにとっては、無理のないことかもしれません。
しかし、その制作がデジタル化された最近の雑誌などでは、デザイン的な面白さ、ユニークさを狙った「文字」の扱い方が多く見られます。文字(フォント)の種類の多様化も手伝って、「文字」がデザイン要素のひとつとなっているのです。
今回は、帳票デザインの一要素として捉えた「文字」の使い方について考えてみたいと思います。
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