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技術情報 【第3回】文字 「帳票デザインの要素としてとらえた文字の使い方」
 
-帳票制作講座<<第3回>>- 1/5
書体の種類


■(図1)書体の種類 印刷物の制作がデジタル化されて以来、書体(フォント)の種類は飛躍的に増加しました。あまりにもたくさんの書体を目の前にして、どこにどの書体を使えば良いのか、迷ってしまうのは当然のことと言えます。
 書体の種類は、その形状から大きく分けて、「明朝系」、「ゴシック系」、「その他」の3つに分けられます。そしてそれぞれにたくさんの種類があり、それは現在も増え続けています。
 明朝系の代表的なものは、Macintoshでいうところの、「細明朝体」、「太明朝体」、「リュウミン」など、Windowsでは「MS明朝」などです。
ゴシック系の代表的なものは、Macintoshでいうところの、「中ゴシック体」、「太ゴシック体」、「新ゴ」など、Windowsでは「MSゴシック」などです。
その他には、「教科書体」や「楷書体」、「じゅん」などを始め、マル文字やPOPなどに使われるような特殊な書体も含みます。

 皆さんのパソコンの中にも、場合によっては数十もの書体がインストールされていることと思います。
 ではこのような多数の書体の中から、どのようにして書体を選んで使用したらよいのでしょうか。

「読む文字」と「見る文字」
 帳票デザインにおいて書体を選ぶとき、文字というものがその使われ方から大きく分けると、「読む文字」と「見る文字」の2つに分けられることを意識すると良いでしょう。デザインする側から考えれば、「読ませる文字」と「見せる文字」、ということになります。
「読む文字」というのは、新聞・雑誌などの本文に使われるもので、使用される文字の90%以上を占めています。明朝体がその代表で、教科書体や楷書体も含まれます。
 「見る文字」というのは、見出しやキャッチフレーズ、キャプションなどに使う文字で、ゴシック体を筆頭に、新書体とも呼ばれるじゅん、ゴナ、POP体などがそれに当たります。
人間が文章を読むとき、その視線は漢字から漢字へと飛んでいます。つまり漢字のブロックを拾い読みしやすければ、読みやすいということになります。
 「読む文字」と言った、明朝体や教科書体などは、仮名に対して漢字が浮き出て見えるデザインになっており、漢字の拾い読みがしやすく、長時間にわたって文章を読むのに適しています。
 これに対して「見る文字」と言ったゴシック体などは、欧米のラインシステムを取り入れたデザインとなっており、文字が並んだ場合ラインがきれいに揃い、見た目は非常にきれいであるが、漢字と仮名の区別がつきにくく漢字の拾い読みの妨げとなるため、長文を読むのには適さないのです。

帳票には「見る文字」
それでは帳票デザインには「読む文字」と「見る文字」、どちらが適しているのでしょうか。
 それはご推察の通り、「見る(見せる)文字」でしょう。帳票を構成するタイトルや項目は、ほとんどが短い漢字や仮名のかたまりであり、メッセージや注意書きなどの文章も、長時間読むという類のものではなく、結果ラインがきれいに揃っていた方が洗練されてスッキリしたデザインとなるからです。

 
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