最後に、帳票デザインにおける「文字の大きさ」、そして「文字の変形」について考えてみましょう。
文字の大きさ
帳票デザインにおいて、書体の大きさはどの程度にしたら良いのでしょうか。
読みやすいだろうと、項目欄いっぱいの大きな字は、美しさ、スマートさに欠けます。特定の人が繰り返し記入するような帳票では、項目名は分かり切っていることもあり、それほど大きくする必要もないのです。
実際に帳票の文字には、基準となるサイズはありませんが、全体のサイズや各欄のスペースなどのバランスから、ある程度の目安を(図9)に示しておきます。
ちなみに書体の大きさは写植の時代には「級数」で指定されていましたが、最近ではパソコンによるデジタル化と共に、「ポイント」で指定されることが多くなりました。級数は写植で用いられてきた単位で、1級は0.25mm、つまり10級であれば2.5mm正方に入る大きさ(日本語等幅フォントの場合)ということになります。対してポイントは活字の時代より用いられてきた単位で、1ポイントは1/72inch(0.3514mm)です。
文字の変形
項目欄などのスペースによっては、平体、長体の使用も考えましょう。天地が狭いスペースには平体を、左右が狭く文字数が多い場合には長体を使うと良いでしょう。
また、これらの変形、及び斜体をタイトルなどに使えば、また違ったイメージを演出することができます。
ただし、線の多い複雑な文字に変形をかけると、文字がつぶれてしまうこともあり、注意が必要です。(図10)
|