文字をデザインの一要素として、それでいて読みやすさ、使いやすさに配慮してレイアウトするに当たって、次の2点に注意したいものです。
1.前述の「まとめ読み」を考慮した、かたまりとしての文字レイアウト
「読む文字」と「見る文字」でご説明したように、漢字仮名まじり文を読み慣れている日本人は、漢字のブロックをひとかたまりとして、まとめ読みしています。帳票においては、タイトル名、項目名などはまさにそのほとんどが「漢字のブロック」として存在しています。
「品名」、「数量」、「金額」などという項目名は、従来の帳票では(図6)のようにレイアウトされるケースがしばしば見られました。この場合、1単語をまとめ読みしにくいだけでなく、隣り合う項目の文字と近すぎて、それが1つの単語のように見えてしまうため読みずらく、使い手に迷いを生じさせることとなります。
このような項目名は、単語としてのまとまりを作り、その上でセンター揃えにする、左寄せにするといったレイアウトにしたいものです。(図6)
2.タテ書きとヨコ書きの混在は避ける (図7)
タテ書き、ヨコ書きが混在すると、デザインに統一感がなくなり、スマートさに欠けます。特に(図7)のようにタテ書きが2行以上になると、タテ書きなのかヨコ書きなのか、左右はどちらから読めば良いのか、迷わせることになります。
まして、タテ書きは本来右から読ませるものであり、(図7)のような使い方は明らかな間違いです。
ただし、スペースの関係から(図8)のような大項目をタテ書き、小項目をヨコ書きという方法は活用しても良いでしょう。
これは、前回の『ケイ線』の中の、『小項目中のタテケイ、ヨコケイはなるべく省く』でご紹介した例に共通するものです。
変則的なレイアウトが必要な場合でも、使い手に迷いを生じさせないレイアウトというものが最低限必要なのです。
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