グリーンレポート
ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望

 ビジネスフォームの印刷が日本に出現したのは1955年(昭和30年)頃からで、当時はユーザーも少なく、まだ製造している印刷会社もわずかでした。国産の製造設備はまだ作られていないため、当時はアメリカ・ドイツ・フランスからの輸入印刷機が主力の生産設備でした。版下をアメリカへ送って、納期1カ月などという時代だった。
 それから約40数年を経過して、全国にフォーム印刷の設備を持つ会社は1500社を超え、今までの印刷機械メーカーの出荷累積台数は6000台に達し、全国には5000台近くの設備が健在であるものと思われる。かって日本フォーム印刷協議会(現在の日本フォーム工連)が全盛時には加盟社は450社を数えたが、それも今は200を割るところまで減少している。地方ではほとんど動いていない設備も散見されているようになった。
 スタートしてからまもなく50年を迎えようとしている現在、ビジネスフォーム業界は大きな転機に立っているようだ。日経ビジネス誌が「会社(事業)の寿命の30年説」を唱えているが、それから見ても、この40数年間の歴史ははいささかでき過ぎの感じもあるのではないだろうか。コンピュータという有史以来の革命的な武器に支えられてきたという幸運もあるが、新しい商品開発など、業界の先駆者たちの努力と開発によってきた部分も評価しなければならない。
 もちろん、自然増に支えられて業界が拡大してきたことも事実ではあるが、今、直接的に影響のあるコンピュータや関連の環境以外にも、金融機関の統廃合とか、製造業における空洞化や海外生産の実状、為替の状況とか、日本を取り巻く重要環境が激変しており、それらの複合的な要因も加わって、さらに厳しい展開となってきているのも事実である。
 日本フォーム工連では1997年度から継続のアンケート調査をしているが、その調査からいくつか抜き出してみる。調査対象は97年117社、2000年89社で、必ずしも同じ対象会社でないので、正確ではないが一応の変化は現れているものと考える。


ユーザー層のシェアはどう変わっているか shousai
品目別のシェアはどう変わっているか shousai
用紙の出荷量から見た変化 shousai
今後の成長・差別化は知的所有権で shousai

戻る