グリーンレポート
特集:ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望
-ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望- 3/4
用紙の出荷量から見た変化


 成長が止まり、小さくなったパイを求めて、激しい競争が繰り広げられている。
 コンピュータの発達につれて、いわば自然増にも支えられてきたこの業界は、今またその発達のおかげで、ピークを過ぎて下り坂に入ってきたとも言える。かっての需要の中心は出力用紙としてのフォーム用紙であったが、紙は同じでも、入力用紙も、単票も、DMなどの多色や、平判でしかできなかった複合品の伝票類や銀行帳票など、連続で加工できるものはすべて取り込むという形の商品開発が進んでいる。またプリント出力などのサービス部分も売上が増えている。連続の出力がゼロックスなどのカット紙に変わったことである部分は減少しているが、それ以上に新しい商品開発は進んでいる。カードやラベル、新しい配送伝票類や医療関係の新しいシステム、航空券やタグ類、RFIDなどの部分も視野に入ってきている。
 旧来品の市場低下率はそろそろマイナス7−8%にも達し、一般帳票類ゃストックフォームはマイナス10%に近くなっているようだ。
 情報関連用紙のメーカー出荷数量で見ると、フォーム用紙とノーカーボン紙のピークは1995年であったように見える。1988年にはノーカーボン紙・フォーム用紙・PPC用紙の3種類がほとんど同数量だったが、翌年からはPPCだけが伸びてゆき、96年には2倍になり、最近はやや止まったものの、まもなく、3倍になるのも時間の問題のようだ。この用紙は、コピーやFAX、軽印刷用など、多目的に使われる部分が多く、プリンター用としてよりも、その他用紙の需要の方がはるかに多い。販売ルートは一般紙の代理店・卸商は通らずに、ゼロックスやキヤノンなどメーカー系列の特販ルートが70%に達すると言われている。
 95年のノーカーボンとフォーム上質の合計は758千トンに対して6年後、2001年では660千トンと、ピークに対して87%に減少している。毎年の減少率は約2%程度となっている。思ったよりも少ない感じである。実際には量だけでなく他社との競合、ユーザーからの値引き要求等、販売価格の値下がりもあるわけで、さらに売上額は減少している。


用紙の出荷量から見た変化

  91年 92年 93年 94年 95年 96年 97年 98年 99年 00年 01年
PPC用紙 450 476 495 524 615 704 764 795 822 824 771
複写用紙 34 31 30 29 29 29 27 23 23 22 21
ノーカーボン 327 323 314 317 335 341 345 330 321 318 310
フォーム上質
397 378 365 369 423 407 392 381 378 365 350


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