グリーンレポート
特集:ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望
-ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望- 4/4
今後の成長・差別化は知的所有権で


 ここまで競争が激しくなって、しかも、吸収やら合併やらでパイは減少する。大手同士の受注戦争、電子入札が始まる気配もあり、他社のシェアをどれだけ取れるか、新商品の開拓がどれだけ進むかがポイントになるだろう。
特許や実用新案が確実に差別化に役立ち、業績に寄与するようになった。今まで、印刷業界ではこれらの知的所有権については、一部を除いて、あまり重大なものとして考えない風潮があり、どちらかといえば尊重しない業界だった。ところが、最近の事例ではこの知的所有権が非常に重要な権利として、脚光を浴びるようになったのはご存知のとおりである。この知的所有権には、特許権や実用新案権のほかにも著作権、商標権、意匠権も含まれるが、印刷業界での最近の実例を挙げると、

トッパンフォームズ : 圧着はがき用紙
フォーム印刷研究会  : 3つ折りシークレットハガキ(6面ハガキ) 
陽光ビジネス  : セパブル封筒 
ジェミッツコーポレーション・ケーディケー  : 熱圧着のラミネートフィルムを使用したハガキ 

 さらには、大日本印刷の圧着ハガキの破れ防止なども加わって、いろいろと話題になってきている。
 これらを考えると、ロイヤリテイを払う立場になるか、もらう立場になるかは正反対である。資本も設備も劣る中小零細企業こそ、頭脳による差別化のできるこの部分が重要ではないかと考える。大手はまだ違う点で差別化も防御もできるが、力の劣る小企業にはこの部分しかないのではなかろうか。
 独自技術で商品開発をして、グループ化での協業化・商品化が今後の鍵になるのではないだろうか。そして、技術はしっかりと権利化をして、なるべく囲い込みでなく、広く業界で使えるような商品開発が出てくることを願いたいものである。そういう面では、このフォーム印刷業界はまだまだ商品の開発が可能な業界ではないかと考える。コンピュータとの接点、紙・フィルムなどの薄い素材と印刷加工技術、コーティング技術など考えても、まだまだ可能性はある。連続封筒、目隠しシール、圧着ハガキ、ラミネートカード、この次の商品が楽しみである。



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