グリーンレポート
特集:生産者責任を盛り込み、循環型社会へ。環境関連法と帳票の最新動向
-環境関連法と帳票の最新動向- 2/4
新たなマニフェスト制度で、事業責任者が拡大。

 この法律は、マニフェストを使用することが適正処理の第一歩であり、改正にともない帳票・印刷需要がさらに広がる可能性があります。「改正廃棄物処理法」の柱のひとつは、いかに不法投棄を防止するかにあります。そのために様々な体制づくりと規制の強化がなされました。廃棄物処理施設の整備、さらに廃棄物処理計画を推進するための、国および都道府県の役割がより明確になっています。一方で、排出事業者が最終処分まで確認できるよう、マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度を改正し、適正処理の責任が徹底されることになりました。
 マニフェスト制度とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際に、マニフェストに「産業廃棄物の名称」「数量」「運搬業者名」「処分業者名」などを記載し、廃棄物の流れを把握・管理するしくみです。従来は、排出事業者が管理票を発行して、中間処理までの確認を義務づけていましたが、改正後は、最終処分の確認まで監視義務の範囲を広げました。また、マニフェストを適正に使用しない場合には排出事業者が処罰(50万円以下の罰金)を受けることになっており、マニフェスト使用がより徹底されています。さらに、マニフェスト伝票は最終処分までの確認が必要のため、従来の6枚(積替用7枚)から1枚増え、7枚(積替用8枚)の複写式となっています。また、排出業者が書き起こすマニフェスト(一次マニフェスト)に加え、中間処理業者がマニフェスト(二次マニフェスト)を書き起こすことが必須となったため、帳票需要はさらに拡大しています。
 現在、改正廃棄物処理法の施行から一年以上が過ぎ、企業でも廃棄物削減に向けた新たな動きが生まれています。廃棄物の生産者責任の流れに対応し、効率の良いリサイクルシステムの構築をはじめ、解体・再資源化を織り込んだ製品開発などに力をいれはじめています。また全国の自治体では産業廃棄物に課税する動きが目立っています。企業に廃棄物削減をうながし、
税収を財源にして環境対策に役立てるのが狙いです。三重県がこの4月に導入したのを皮切りに、27都道府県が同様の税導入を検討しています。廃棄物削減には大きな効果が見込まれ、今後も裾野が広がるもようです。帳票・印刷需要も、申告納付書類や関連の帳票、パンフレットなどの増加が見込まれるほか、 改正案の影響が今後もダイナミックな変革を生み、需要増大につながってくると思われます。


●厚生労働省/2001年4月改正

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