ワク取りのレイアウトについて考える際、そのワクのバリエーション以外にもいくつか留意すべきポイントがあります。特にそのワクの数(=ブロック数)が多い時に重要になるポイントを以下に挙げておきます。
1.ブロックの境界線はまっすぐに
ゾーニングによって分けられた各ブロックをレイアウトする時、上下あるいは左右に凹凸があっては上手なデザインとは言えません。
これは帳票に限ったことではなく、ブロックを必ず共通の見えないライン上に揃えることはデザインの基本です。
よほど動的なイメージが必要であるとか、特別な狙いが無い場合(帳票制作ではほとんどが「無い」でしょうが…)は、ブロックの境界線がまっすぐになるように配置しましょう。ラインが揃っていないと落ち着かないイメージになります。
(図4)
2.センター合わせか、左揃えか
1の例は項目のブロックが紙面いっぱいの場合ですが、各ブロックを並べて空白がある場合は、その並べ方でイメージが変わってしまいます。
全体のバランスを考えた左右方向の配置には、左揃えやセンター合わせがあります。
最もオーソドックスなのが「左揃え」でしょう。バランスよりもリズム感に富んだレイアウトとなります。
「センター合わせ」は左右でシンメトリーのため、バランスをとりやすい最もオーソドックスなレイアウトです。これを帳票に用いると、面白い効果は得られますが、盛り込まなくてはならない項目や内容のボリュームによっては、非効率的で無理が生じる場合があります。
また、小項目や社名、住所など、「右揃え」にするのもシャレた感覚を演出できます。(図5)
3.ホワイトスペース(余白)を活かす
2のように左右方向の配置だけで余白を処理しようとすると、よほど気の効いたワク取りのテクニックを使わない限り、アカ抜けないデザインになってしまいます。
特に、センター合わせは安易に使いがちですが、ホワイトスペースも意図した、きちんとしたデザインの狙いもなく使うのは良くありません。最も素人っぽいデザインのように見えてしまいます。(ちなみにインターネットの世界でも、センター合わせは非常に簡単に作られたホームページに良く見受けられます。)
余ったスペースを、無理やり埋めようとせず、いかに効果的に処理できるかが、デザインにおいてかなり難しくもあり、効果的でもある重要なテクニックなのです。
ホワイトスペースを余ってしまった余白と思わず、意図的にデザイン要素とみなし、効果的に使いたいものです。
上手にホワイトスペースを使えば、ぎっちり項目を並べた場合に比べ、開放感やスマートさが得られることが分かると思います。逆に、四方を囲まれてしまったホワイトスペースは、閉塞感を感じさせてしまいます。ホワイトスペースには逃げ場が無くてはなりません。(図6)
4.重量感のバランス
ホワイトスペースの活かし方に関連して、ブロックを並べる時に考えたいポイントとして、重量感のバランスがあります。視覚的な重量感でバランスをとってレイアウトしないと、不安定なイメージを与える帳票になってしまいます。例えば面積の大きなブロックが上にあると、重心が上にあり、頭でっかちで不安定な印象となります。ただし、色やアミを濃くすることで、視覚的な重量感をかせぐこともできるので、冒頭のワク取りのアレンジ、そして3のホワイトスペースの活かし方と併せて、バランスの良いデザインを心がけましょう。(図7)
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