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技術情報 【第4回】色彩・アミ 「帳票の機能を高める色彩・アミの使い方」
 
-帳票制作講座<<第4回>>- 1/4
帳票における色の種類


■(図1)代表的な“帳票色”とそのイメージ ひと昔前の帳票と言えば、「スミ1色のケイのみ」というものばかりでした。
 最近では、前述の通り、様々な色を簡単に用いることが可能となり、1色刷りにしても印刷色を変えたり、2色刷りにしたり、ベタやアミを用いて濃淡のバリエーションを用意したり、その上に白ヌキ文字を使ったりと、色の使い分けによるイメージ作りが日常的に行われていると言えましょう。
 しかしそのようなことが実践されている帳票の多くが、「色」に関してまだまだ改良・工夫の余地を残しており、決して上手に色を使っているとは言えないようです。 その原因の1つとして、「帳票にはこの色を使えば良い」という固定概念があるのではないでしょうか。
 例えば帳票の「青」と言えば、ほとんど決まりきった青が使われているのではないでしょうか。「緑」と言えば、この緑。「茶」と言えばこれ、「赤」はこれ、そして「黒」と紙の地色である「白」、というように、あたかも帳票色というものがあるかのように、決まりきった6色程度を使いまわしていないでしょうか。(図1)

 しかし、印刷インキの見本だけでも600色以上あるのです。同じ「青」でも、紺から水色、緑がかった青など様々で、それらを使い分けるだけでも全く違ったイメージを作り上げることができるのです。(図2)


■(図2)「青」のいろいろ

色の選択幅を広げる
 お客様に「印刷色は「青」で…」と言われたら、その企業イメージや帳票の目的などをじっくり検討した上で、それにふさわしい「青」を提案すべきでしょう。それぞれのお客様に合わせて、いかに細やかな対応ができるかが、制作物(=帳票)の付加価値を高め、結果、顧客満足度を向上させることができるのです。
 ただし、細やかな対応とは言っても、その都度その都度600以上の色見本からインキ色を選んでいたのでは、制作においても印刷においてもコスト面でそぐわないものとなってしまいます。そこで、先ほどの代表的な帳票色から「白」を除く5色をベースに、それぞれの色に3〜5種類程度のバリエーションを持たせ、選択幅を広げた新しい帳票色の色見本を作りましょう。(図3)

■(図3)選択幅を広げた新しい帳票色

 従来より帳票に多く使用されてきた5色、青・緑・茶・赤、そしてスミ、をベースとするのは今後においても順当でしょう。しかし各色のバリエーションを選ぶに当たっては、色の性質、心理効果、流行といった様々な側面から、十分に検討が必要です。特に「流行」を考慮すれば、さらには実際のお客様の反応もフィードバックし、より喜ばれる選色を目指すなら、1年ごとなど、定期的な見本色の見直しも必要でしょう。
 また、「帳票色=文字色」という概念にとらわれず、地色用としての見本を用意しておくことも、さらに選択の幅を広げることに寄与できるでしょう。

  帳票デザインにおける色の果たす役割は、たいへん重要なものです。色は直接イメージを作り上げる重要な要素であり、その選択の違いが大きな差となって制作物に表れます。「色」は言葉を必要としない、一目瞭然のプレゼンテーションツールなのです。
 それ故、「色」を学び、その性質を理解した上で営業展開に活かすことができれば、必ずそれは他社との差別化を生み、大きなアドバンテージとなることでしょう。


 
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