■ その他の使い方のコツ
さて、不要なケイ線は省け、帳票の機能性と見た目の美しさが高まったところで、さらにケイ線を効果的に使うための原則をいくつかご紹介いたしましょう。
1.ひとつの帳票面に多くの種類のケイ線を使わない。(図6)
従来のケイのみの帳票では、細いケイから太いケイまで何種類も使うものが見られましたが、種類を多く使えば使うほど、雑然としてスマートさに欠け、上手なデザインとはいえません。
2.ケイ線は思いきり太く、思いきり細く使う。(図7)
ひと目で太さの違いがはっきり分かる、というのがケイ線の上手な使い方です。ごく細いケイでシャープさを出し、太いケイでデザインを引き締めるといった使い分けをしましょう。
また、このような使い分けを、よりエリア分けを意識して行うことにより、前回の「ゾーニングを活かした配置」をより効果的なものにできます。
3.ラウンドコーナーの多用は避ける。(図8)
ラウンドコーナーは、それぞれのコーナーに余白を生じるため、スペースを無駄にしてしまいます。特にラウンドコーナーの記入欄をいくつも並べると、スペース効率はどんどん低下します。また、デザイン的にも締まりがなく、シャープさに欠けるものとなります。
ラウンドコーナーをアクセントとして使う場合も、多用は避け、そのコーナーのアールもなるべく小さくしてスッキリまとめたいものです。
4.小項目中のタテケイ、ヨコケイはなるべく省く。(図9)
前述の「不要なケイ線を省く工夫において、全体的なタテケイ、ヨコケイの省略について考えましたが、小項目中のタテケイ、ヨコケイに至ってもなるべく省く工夫をしましょう。
「ゾーニング」によってグループ分けされた各ブロックは、それぞれの区切りをアミやケイで明確に示す必要があります。
しかし各ブロックの、小項目同士の区切りにも全てケイを用いると煩雑になります。 小項目中のタテケイは省いたり、項目名の文字自体に区切りの役目をもたせてしまうなどの工夫で、見やすいデザインを目指しましょう。
また、押印欄のような独立した小項目の四方を、ケイで囲むと閉塞感が生じてしまいます。このような場合は最小限のケイで構成し、文字やアミなどでさりげなく仕上げると良いでしょう。(図10)
5.記入欄の行数が多い場合は控えめなケイを使う。(図11)
記入欄の行数が多い時は、なるべく目立たないケイを使いましょう。実線のケイより、アミ地に白ヌキのケイを用いた方がスマートな感じに仕上がります。
印字欄を白地にする場合でも、ごく細い実線、薄いケイなどを用いましょう。 |