以上、今回はケイ線の使い方について考えて参りましたが、前回の『基本設計』、今回の『ケイ線』、共に考え方の根本は同じであることがお分かりいただけたでしょうか。
ここまで見て参りました『ケイ線』のテクニックを駆使して、印刷会社の見積書を作成してみましょう。(図12)
仕事の入り口である見積書は、印刷会社にとっては自社の力量をアピールする絶好の媒体であると考え、質の高いものを作成してその先の仕事につなげたいものです。
帳票制作の最終的に目指すところ、それは「見やすさ」、「使いやすさ」です。
帳票を構成する要素は全て、それを考慮して配置されていなくてはなりません。
そして「ケイ線」だけでは、その目的を達するには十分と言えません。空白スペースをも含む基本的なレイアウト、文字、色・アミ、そしてケイ線と、それぞれを、その機能をきちんと理解して用いることで、帳票の使いやすさを高めることができるのです。
「線」で区切らなくても、エリア分けが明確に分かり、シンプルにまとまる場合もあるのです。 どれかひとつの要素だけに頼らず、複合的な相乗効果を狙い、付加価値の高い帳票制作を目指しましょう。
帳票制作が主にデジタル環境下で行われるようになって、帳票を構成する3大要素、「ケイ線」、「文字」、「色彩・アミ」を誰もが容易に扱えるようになりました。そしてその種類も多種多様に用意されており、レイアウトの自由度も格段に増しています。だからこそ、それぞれの基本的な使い方、機能を知り、それを活かすように使えるかどうかが、出来上がった帳票の機能性、美しさに大きな差となって現れてしまうのです。
引き続き次回は、帳票を構成する3大要素の2つ目、「文字」の扱い方について考えていきたいと思います。 |