グリーンレポート
特集:電子政府・電子自治体の実現で印刷ビジネスはどう変わる?<後編>
-電子政府・電子自治体の実現で印刷ビジネスはどう変わる?<後編>- 3/5

3.自治体での電子文書管理の実際

 次に、自治体で電子文書管理がどのように行われているのか、いくつかの事例を見 てみましょう。一言で「文書管理」といっても、従来の業務の進め方が各行政で異なるため、文書管理を電子化する方法も様々です。
○神奈川県川崎市の場合
 神奈川県川崎市(人口約128万人)は平成9年に「川崎市情報化基本計画」が策定され、サービスを向上させるための「電子市役所」の実現を目標にしています。平成15年4月から、電子決済や職員認証を含めた「電子文書管理システム」を稼動していま す。システムには紙文書とすでに電子化された文書を同じように扱えるソフトが導入されていて、起案から決済、保存、検索、破棄までがスムーズに行われるようになりました。また、文書が電子化されることで、「情報公開」までの時間も短縮されました。川崎市では、この電子文書管理をスタートに、電子申請、電子届出、電子入札、電子調達のシステムも整備し、電子市役所の実現を早期に達成したいとしています。


川崎市の情報システム構成概要


○神奈川県横須賀市の場合
 神奈川県横須賀市(人口約43万人)は、情報化の最先端を進む自治体として知られています。平成8年に「よこすか情報フロンティアプラン」を策定し、積極的に情報化を推進しています。平成11年には「公文書管理データベースシステム」が運用開始されています。「ドキュメント管理からの脱却」というテーマで電子文書管理を始め、「紙」という物の処理・管理から、「情報」を処理・管理するという考え方が浸透しています。電子文書管理を導入することで、職員はデータベース化された文書本体の検索、参照、引用が自席にいながらできるようになりました。また決裁ルートも紙の文書の時より柔軟に設定することができ、業務のスピードアップにつながりました。文書の電子化をはじめとする情報化により、11年には約3億3000万円の経費削減効果があったといいます。


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