-確定拠出年金(日本版401k)- 7/8
先に述べた「運営管理機関」は実際はその役割によってさらに2つに分かれます。ひとつは加入者への商品提示や情報提供を受け持つ「運用関連運営管理機関」。もうひとつは加入者の個人別資産の記録管理をする「記録関連運営管理機関」(レコードキーパー)です。後者は、レコードキーピングと呼ばれる顧客管理業務のシステム開発に巨額投資が必要なことから、単独の金融機関ではなく複数の企業が出資して会社を設立しています。
現在は、〈三菱・住友グループ〉〈野村・興銀グループ〉の2大陣営が形成されています。お互い、少しでも投資負担を減らすため、金融機関の囲い込みに余念がなかったのですが、それもほぼ勢力図が固まってきたようです。現在2大陣営は、約120ある地方銀行の囲い込みに懸命になっているようです。
〈三菱・住友グループ〉…東京三菱・三菱信託・明治生命・東京海上・三井住友(旧住友)・三井住友海上(旧住友海上)・大和証券・日興コーディアル証券(旧日興証券)・日本生命等
〈野村・興銀グループ〉…野村証券・みずほ(旧日本興業・第一勧業・富士)・UFJ(旧三和)・大和・三井住友(旧さくら)・三井アセット信託(旧中央三井信託)・三井生命保険・三井住友海上(旧三井海上)等
この2大陣営のほかに、損保ジャパン・シグナ(旧安田火災・シグナグループ)があります。
〈三菱・住友グループ〉のレコードキーパーは日本レコード・キーピング・ネットワーク(株)(略称:NRK)。〈野村・興銀グループ〉は日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー(株)(略称:JIS&T)です。
基本的にはこのレコードキーパーが主な帳票の作成元、つまり私たち印刷業界への発注窓口になります。場合によっては「運用関連運営管理機関」が、若干アレンジして独自に作成するケースもあります。「運用関連運営管理機関」はレコードキーパーの汎用帳票を利用するか、もしくは独自に作成するかを判断して決めるもようです。詳しい仕様等は次回にご紹介します。