グリーンレポート
特集:生産者責任を盛り込み、循環型社会へ。環境関連法と帳票の最新動向
-環境関連法と帳票の最新動向(後編)- 2/6



家庭用パソコンのリサイクル費用 2003年秋からいよいよ家庭用パソコンのリサイクルが始まります。資源有効利用促進法の施行により、すでに業務用パソコンのリサイクルは義務づけられており、今後パソコンメーカーは家庭用パソコンも回収、再資源化の義務を負うことになります。2002年以降「パソコン大量廃棄時代」を迎えるともいわれるなか、パソコンリサイクルの本格的なスタートとなります。
 リサイクル費用の徴収については、新制度施行前に購入したパソコンについては、廃棄時にメーカーなどに費用を支払い、引き取ってもらう「廃棄時徴収」、施行後購入のパソコンについては、価格に上乗せする「販売時徴収」となることが決まっています(費用は別表の通り)。
 帳票制度を見ると、業務用パソコンについては98年12月からマニフェスト(産業廃棄物管理票)発行が義務化されています。また改正リサイクル法によって、2001年4月より使用済みパソコンの回収・再資源化が義務づけられました。
回収にはメーカーによる直接回収とリサイクル業者を通じた回収があります。とくに企業にとって手間のかかるマニフェスト業務については、これを代行する専門業者も増えており、リサイクルは今後もスムーズに促進されるでしょう。一方、家庭から出た使用済みパソコンは現在一般廃棄物として扱われていますが、メーカーによるリサイクルがはじまれば、事業向けパソコン同様、マニフェスト利用の可能性が大きいといえます。
 また、パソコン回収量も今後は急激に増える見込みです。電子情報技術産業協会(JEITA)は、使用済みパソコンの排出量は95年は年間約3万t台、99年は5.6万t、そして2006年には9万tを超えると試算しています。95、96年に爆発的に出荷量をのばしたパソコンが、一斉に廃棄に回ると考えられるからです。メーカーサイドも、2002年4月の日本IBMと日立製作所のパソコンリサイクル事業提携に代表されるように、回収・リサイクル業務をいかに効率化していくかに腐心しているようです。

 こうした動きに伴って、JEITAでは、環境負荷の少ないパソコンに環境に配慮していることを示す「PCグリーンラベル」(図参照)を付ける新制度を導入しました。パソコンがどの程度省エネルギーやリサイクルに配慮した設計になっているか等を、購入の際に判断する目安にしてもらうためです。この制度には国内外のパソコンメーカー等25社程度が参加すると見られています。
 いずれにしてもパソコンリサイクルの動きが帳票・印刷にもたらす影響を考えると、来秋の施行、そしてそれ以降も目の離せない分野といえそうです。
●経済産業省/2003年秋施行見通し

パソコンリサイクルのしくみ

パソコン出荷量の推移

使用済みパソコンの排出量推計



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