最後に、今回の色彩・アミの使い方を考慮して、領収書を作成してみましょう。(図15)
以上、帳票デザインにおける「色彩・アミ」の使い方について、見てきました。
「色」についても、帳票デザインにおける使い方の基本は、「見やすさ」、「使いやすさ」を目指すことに端を発しています。美しく、機能性の高い帳票を作る、付加価値の高い帳票制作を目指すということを常に意識しながら、帳票のデザインを構成する全ての要素はレイアウトされなくてはなりません。
「文字」、「ケイ線」、「色彩・アミ」と見てきましたが、色彩に関する部分が、最も複雑で奥の深いところではないでしょうか。「文字」、「ケイ線」に関しては、ある程度スタンダードが存在しますし、文字の種類についても、基本的にはお使いのパソコンにインストールされたフォントの種類が上限となります。また、文字もケイ線も、それぞれの回でお伝えしたように、種類の多用自体タブーです。
手軽になったデジタル環境下の帳票デザインにおいて、最も自由度の高いものが「色」の選定ではないでしょうか。「色」も種類の多用はタブーですが、肝心な1色を選ぶ際、その選択肢があまりにも多く感じられます。また、パソコン上での扱いが手軽ゆえ、無数の種類の色(一般的に約1670万色)を前にして、色の知識が無ければ手当たり次第に色を変えてみる、という効率の悪い作業をされている方もいるのではないでしょうか。
的確に色を用いるには、色をコーディネイトする専門的な知識・技術が必要ですが、一朝一夕にはいかないでしょう。 かと言って、従来通りの数少ない帳票色を使いまわしていては、この多様化の時代についていくことはできません。
そこで今回は、このスタンダードな帳票色を一歩進めて、少しバリエーションを増やすところから「色」に関しての対応策をご提案させていただきました。
各色のバリエーションを選定する際、それぞれの色のイメージ、特徴、相性など、色彩学の基本、カラーコーディネイトの基本が必要になることと思います。その上で、基本的な理論に基づいた色見本(当然コスト面の考慮も必要ですが…)を作成することができれば、他社との差別化を図れる、強力な営業ツールとなることと思います。
当講座が帳票の色について見直すきっかけとなり、付加価値を高める帳票制作につながれば幸いです。
今回で、帳票を構成する3大要素の使い方は終了です。次回は、これまでの3大要素の使い方を活かしつつ、第1回の「基本設計」からさらに一歩踏み込んだ、「レイアウト」のテクニックについてです。
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