以上、項目を洗い出し、グループ分けをし、それぞれを効果的に配置するまでの「帳票制作の基本設計」における一連の作業を見てきましたが、最後に、グループ化した各ブロックの効果的なレイアウトについて考えてみましょう。
せっかく人間の思考パターンに沿った配置をしても、それぞれのグループ同士を何のメリハリもなく、びっしり並べるのではなく、ブロックとブロックとの配置に視覚的なメリハリを付けることが必要です。
効果的なレイアウトの方法としては、
a. ブロック内の項目ごとの間隔と、ブロックごとの間隔にメリハリ を付けてエリア分けする。(図5)
b. ケイ線を上手に使ってエリアを分ける。(図6)
c. 色・アミを使ってエリア分けを明確にする。(図7)
などが考えられます。
b、cについては、また回を新たにしてより深く考えてみたいと思います。
その他にも、記入者の立場や条件によって項目を選択しながら書いていく場合など、矢印などでリードすることにより、記入の流れを損なわず、導くことができます。(図8)
どのような帳票制作の場合においても、1つの帳票の中に、さらに帳票内の各ブロックの中に「実用性を伴った共通性・法則性」を持たせることが大切であり、こうして作られた完成度の高い帳票は、そのブロックごとを汎用性のあるユニットとして再利用していくことも可能となるのです。
今後の帳票制作の基本設計においては、その機能性を考慮したアナログ的な設計の技術に加えて、「いかにデジタルの利点を活用し、機能美を残したまま効率化するか」という考え方が重要となるのではないでしょうか。
さて、今回は帳票としての高い機能を備えた基本設計のノウハウについて考えてみました。今後は、この基本設計を活かして、さらに帳票の付加価値を高めるテクニック、より実践的・応用的な情報をご紹介してまいります。
次回の講座では、上記b.でも触れましたが、帳票デザインにおける最も重要なテクニック『ケイ線の使い方』について考えていきたいと思います。
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