CLUB GC
表紙へ グリーンレポートへ 技術情報へ Q&Aへ アンケートへ
技術情報 【第1回】基本設計 「付加価値を高める帳票デザイン・設計のすすめ」
 
-帳票制作講座<<第1回>>- 2/4
設計手順

1.ゾーニング
「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」


 帳票の基本設計、土台づくりに大切なのは、『ゾーニング』という考え方です。
 『ゾーニング』とは、範囲を想定するとか、区画するといった意味で、帳票においては項目のグループ化を意味します。その目的は、帳票を使う人が、ムリなく、自然に、思考パターンに沿って記入したり、処理できるようにすることです。
 帳票作成の第一歩は、どんな項目が必要か・・・ということ、いわゆる「項目の洗い出し」からスタートします。 次に、項目を直ちに配置するのではなく、関連した項目同士をグループ分けし、その各グループを紙面に配置していきます。これを『ゾーニング』と呼びます。
 さらに各ゾーンの中で項目を配置すれば、基本設計が出来上がります。
 一般的な納品書などでは、項目数も少なくほとんど定型化しているので、ゾーニングの面での問題はほとんど無いでしょう。ゾーニングが特に必要になるのは、クレジットの申込書のように、項目数の多い帳票です。申込者のデータ、商品やお金に関する項目など、項目数だけでなく内容的にも広範囲にわたっています。こうした帳票では、どういったゾーンを想定するかが問題となります。
 ゾーニングにおいて最も分かりやすいのは、経営の4大要素と言われる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つに分類する方法です(図1参照)。この分類によって、その後、思考パターンに沿った配置もしやすくなります。


■(図1)グループ化

大きく「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つに分類したら、更に各項目内でも、より関連する情報ごとにまとめてグループ分けを行います。ここでも「思考パターンに沿った流れ」を意識した配置が必要になるのは言うまでもありません。

2.配置
人間の思考パターンに沿って

 グループ分けをもとにして、ブロック単位にエリアを決めて各項目を配置していきます。ここで重要となるのが、"帳票を使う人が、無理なく、自然に記入・処理できる"ということです。
 この流れを、大きく『エリアからエリアへの流れ』、小さくは各エリア内の『項目から項目への流れ』、というように考慮しながら配置していくわけです。
 大切なのは、法則性を持たせた上で、連続性を作り出すことです。例えば、大項目の名称の文字は同じ書体・大きさにする、という法則性を持たせることによって、読みやすく、書きやすい「美しいデザイン」、「整然としたレイアウト」が実現できます。さらに「大事な事柄ほど上に、そして左に配置する」といった法則のもとに全ての項目を配置することで、自然な流れが出来上がります。
■(図2)思考の流れ(「ヒト」のグループ) 『クレジットの申込書』、その中でも「ヒト」のグループ内の項目を例にとり、考えてみましょう。
 項目としては、先ず申し込む本人の情報、勤め先や学校の情報、連帯保証人や家族の情報などに分かれます。そして各々が、さらに氏名・住所・年齢… というように分かれているはずです。
 このとき、並べ方に連続性が無ければ、非常に使い勝手の悪い帳票になってしまいます。 例えば、「氏名」→「性別」と流れてきて、突然、勤務先の欄からせり出した「勤続年数」や「業種」などが現れたら、記入者は一瞬筆を止め、視線を一旦下の勤務先欄に移すことを余儀なくされます。あるいは、固定概念から不用意に「勤続年数」欄に「年齢」を書き込んでしまうかもしれません。
 人間の思考パターンは、「氏名」→「性別」とくれば「生年月日」→「年齢」→「住所」と続くことを推測します。従って、人間の思考パターンに添って項目が配置されていれば記入が非常にスムーズに進められ、無駄な書き損じを減らすことも出来ます。
 ポイントは、「連想しやすい項目同士・ブロック同士をまとめて近くに配置する」、そして、「その流れは思考パターンに沿った順番である」ということなのです。

 
もどる
次へ
Copyright(c) FUJIFILM BUSINESS SUPPLY CO., LTD. All Rights Reserved.