グリーンレポート
特集:ケータイビジネスの成長
-ケータイビジネスの成長- 1/2

1.短期間で急成長した携帯電話業界
 携帯電話(移動体通信)業界は、短い間に急成長を遂げたビジネス分野と言えます。まずは、少し歴史を振り返ってみることにしましょう。
 携帯電話の誕生は、遡ること1979年。世界初の自動車電話として、日本でサービスが開始されました。当時の電話は今の携帯電話と比べると、非常に大きく重かったため、持ち運びには不便でした。1985年には、電電公社民営化でNTTが誕生。自動車電話が全国で広く販売されましたが、加入件数が劇的に増加することはありませんでした。このアナログ通信による携帯電話、いわゆる「第一世代」は約15年続きましたが、1993年までの加入件数はわずか200万件に過ぎませんでした。

 ところが、1993年にデジタル通信がスタートし「第二世代」を迎えた携帯電話は、翌年、爆発的に加入者を増やすことになります。それまでNTTが独占していた移動体通信業界に、電気通信事業法改正による規制緩和で新規事業者が参入。熾烈な価格・サービス競争が生まれることになったのです。そして、2003年には、携帯電話とPHSを合わせた移動体通信の加入件数は延べ7,565万件となり、わずか10年で加入件数が38倍ほども増加しました。

 その一方、激しい契約者獲得競争から「勝ち組」と「負け組」がはっきりと分かれ、会社の再編・統合が行われました。2000年には、国際電話のKDDと京セラ系のDDI、トヨタ自動車系のIDOの3社が合併し、auブランドを展開しているKDDIが誕生。2003年には、J-フォンが世界最大の携帯電話会社ボーダフォングループ(英)の傘下に。さらに2004年、KDDIの株主でもある京セラと米投資会社カーライル・グループが、KDDIのPHS部門であるDDIポケットを買収し新会社ウィルコムを設立するなど、携帯電話、PHSともに再編が進められてきました。

 2004年度の携帯電話の純増数(契約数から解約数を引いたもの)は、NTTドコモが249万台、auが258万台、ボーダフォンが9万台で、業界全体ではおよそ516万台でした。現在、国内の携帯電話契約者数は9,000万件に達する勢いで、市場の飽和感もささやかれています。が、PHS最大手のウィルコムは音声通話の定額サービスを導入し、50万人以上の純増を実現。携帯電話でも同様のサービスが近い将来展開されることが予想され、契約件数はまだまだ伸びていく可能性があります。
地震保険・共済の合計加入率ランキング(カッコ内はJA共済連分)

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