グリーンレポート
 
特集:無線ICタグ(RFIDタグ)の現状と今後<第3回>
-無線ICタグ(RFIDタグ)の現状と今後<第3回>- 3/6

(3)コスト低減
 商品の一つひとつにICタグを付けるためには、現在安くて1個数十円というコストをいかに下げられるかにかかっています。 数十円という単価では、高価な商品はともかく食料品などの日用品に付けるには高額です。 総務省では、スーパーなどの小売業で取り扱う低価格商品に使用するICタグの価格は、1円以下が適当との見方を示しています。

ICタグの目標価格帯

 現在、ICメーカー各社が低価格製品の開発に力を入れていることなどから、低価格化の流れは加速しそうです。単価が下がれば導入も促進され、そうすればさらにタグの大量製造でコストが下がるという好循環も期待できます。
 オートIDセンターのアンケート結果によると、単価が安い食品の一つひとつに無線ICタグが付けられるようになるのは2007年ごろ。パレットには2004年、ダンボールなどのケースには2005年に付けられるだろうと予測しています。また、高額な電気製品には2005年に、製薬など商品自体に厳格な管理を要する物には搭載がさらに早まりそうな気配です。

(4)プライバシーの保護
 ICタグ普及における最重要課題がプライバシーの問題です。たとえば、街を歩いているときにICタグをスキャンされれば、鞄の中の本のタイトルや身に着けている下着のメーカー名、いつどこでその商品を購入したかといった情報等を他人に知られてしまうといったことが起こり得ます。また、ICタグを通じてデータベースに蓄えられた購入履歴やクレジットカード情報などが外部に流出する危険も指摘されています。さらに最大の脅威として、ID番号の付いた物を所持して街を歩くだけで、その人が誰なのかを特定されてしまう恐れもあります。これらのことを懸念して、政府では「電子タグに関するプライバシー保護ガイドライン」を策定しました。


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