グリーンレポート
特集:個人情報保護法案
-個人情報保護法案- 3/3

3.印刷業界への影響

(1)ますます大きくなる社会的責任
 情報化時代にあって、印刷は膨大な情報を処理する企業として、ますます社会的責任も大きくなっています。また、個人情報の保護とは、印刷業界においても昨今激増しているアウトソーシングやオンライン化の一端を担うことになり、その責任と信頼も大変大きなものになってきています。デジタル化による本意でない情報漏洩の危険性やその反面、確固とした管理体制が信頼度を増す鍵となることも考え合わせると今置かれている環境で最善の管理体制を確立することが急務だといえるのではないでしょうか。
 例えば帳票印刷を請け負った場合、その後工程として、大量に発行をしたい請求書や明細書またその郵送や保管などが付随して依頼されることが多くあります。
 そのデジタルデータが今回のテーマである個人情報であることは言うまでもないことであり、その管理をどのようにして処理していくかは個別企業単位の問題ではなく業界全体のテーマとも言えます。例えばプライバシーマークの取得を検討するというのも1つの方法です。
<プライバシーマークについて>
 「プライバシーマーク」は、平成10年4月にJIPDEC(財団法人日本情報処理開発協会)により創設された「プライバシーマーク制度」に基づき、個人情報の取扱に関して、適切な保護措置を講じていると認められた民間企業に対して付与されるマークです。
(2)見込まれる印刷物への切り替え需要
 法案が成立した場合、銀行、百貨店、病院、証券会社等、大量に個人情報を扱う業種において、対応がせまられることになると思われます。法案の最終的な運用にもよりますが、最低限、
1.情報提供者からの情報収集となる各種申込書に、収集の目的を明言すること。
2.情報主体からの情報開示に対応できるようなシステム対応。
3.業務内容ごとのガイドラインの策定 等が必要になってくると思われます。それに伴い、申込書や約款等の変更も生じると思われますが、大手を中心に印刷物の切り替えが発生するのは確実です。
(3)今後の対応について
 個人情報保護に関しては、プライバシーマーク等の第3者機関による評価の導入等、現状において最善の対処を行うことはもちろん、今後の法案の行方によっても環境は変化する可能性があり、それぞれの内容によって柔軟に対応していく必要があります。法案の成り行きによっては、管理体制の見直し、強化という既存システムの改善のみならず、印刷業界にとってメリットとなる側面があることも事実です。いずれにしても、業界として注視すべき法案であることは間違いないでしょう。


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