基本用語集(50音順)

    

カーニング

文字と文字との間を、組み合わせにより詰めることをいいます。


カール(=curl)

フィルム、ペーパーの表裏で湿度に対する伸縮が異なるためにカールが発生します。ロール状のフィルム、ペーパーの巻きぐせもカールと呼ばれます。


外字(ガイジ)

活字の文選ケースの分類上の呼称で、文字の頻度順に頻度率の高いものから「大出張(オオシュッチョウ)」「小出張(コシュッチョウ)」「補助(ほじょ)ケース」などがあり、これらの分類に入らない文字を外字ケースに外字ケースに収容したことから、使用頻度の少ない文字を外字と呼んでいました。現在は文字種の定義づけは難しく、電算写植の漢字キーボードの文字盤上にない文字を外字と呼んだり、またワープロやDTPなどでは漢字第1水準文字、第2水準文字及び非漢字の範囲以外の文字種を外字と呼んでいます。


解像度(=resolution、カイゾウド)

たとえば再現画像がどこまで細かく分解できるかという程度をいいます、CRTディスプレイやプリンタ、イメージセッタなどの出力装置や、イメージスキャナなどの入力装置の入力・出力の精度をいいます。解像度が高くなるほど出力品質は高くなるといえ、一般的には「1インチ当たりのドット数」で表現し、「dpi」の単位が用いられます。


解像力(=resolving power、解像力)

印刷や写真の画像がどこまでの細かさを再現できるかを表わす値(物理量)をいいます。フィルムの解像力、レンズの解像力、目の解像力などといういい方がされます。一般には1インチあたりの密度を変えていった時、等間隔の白黒の線を何本まで識別できるかで表わし、単位は「lines/inch」、「lines/mm」を使います。


階調(=gradation、カイチョウ)

写真や絵などに見られるなだらかな調子の変化をいいます。印刷で表現する場合は網点を使用します。最近重要になってきていることは、画像がコンピュータ処理されるため、画像が持つハイライトからシャドーまでの濃度の段階を8bit=256階調で表わすか、それとも16bitで表わすかという階調のステップ数です。一色256階調あれば問題はありませんが、後処理のことを考えて一般的には16bitで入力しておきます。


解凍(カイトウ)

データ圧縮ソフトで圧縮したデータファイルを元の状態に戻すことをいいます。


返し(カエシ)/返しがえし(カエシガエシ)

製版フィルム(網ポジ又は網ネガなど)からコンタクトプリンターなどを使って、一度返して(ポジ→ネガ)もう一度返し(ネガ→ポジ)もとの製版フィルムと同じようなフィルム(製版)を作ることをいいます。多面付で刷版を焼き付けたり、切貼りした製版フィルムを1枚の原版フィルムにするためにも使います。


活字(カツジ)

活版印刷に使われる文字のことをいいます。鉛、錫などを材料にした各棒状の金属の一端に、鋳造によって凸型の文字を作ったものです。字の大きさはポイント又は号で表わします。


拡張子(カクチョウシ)

ファイル名の後に続けて指定する文字列のことをいいます。


角版(カクハン)

正方形や長方形の写真や図形、または正方形や長方形にトリミングされた写真や図形をいいます。これに対して画像のある部分だけを抜き出して使用することを「キリヌキ」といいます。


かけ合わせ(カケアワセ)

カラー印刷などで2色以上のインクを刷り合わせて必要な色を出すことをいいます。C、M、Y、Bkの4色の掛け合わせで色を再現することをプロセスカラーといい、インキ自体の色を調合してしまうことを特色=スポットカラーといいます。


カゲ文字(カゲモジ)

文字に影をつけたように立体感を出した文字のことをいいます。デジタル処理の場合はレイアウトソフトなどの書体関係のメニューで設定します。アナログ処理では製版時に文字をズラして焼付けて作る方法と写真植字の書体にもカゲ文字(シャドウ文字)があります。


加法混色(カホウコンショク)

2種類以上の色光を混合することによって新たな色が知覚される現象です。得られる色刺激の明るさが、各々の成分の和となるので、加法混色と呼ばれます。光の投影やカラーテレビジョンの色は、加法混色による色再現です。特に、加法混色の原色といわれる赤、緑、青の3色を混合すると、白になります。


カスタマイズ

ユーザが利用目的や使いやすさに合わせて、ソフトウェアの設定を変えることをいいます。よく使う機能を特定のキーに割り当てたり、メニューに登録したりして、操作性を向上させます。


画素(ガソ)

デジタル画像を構成する最小単位の点のことをいいます。「ピクセル」ともいいます。


画像処理(ガゾウショリ)

デジタル画像に対し、階調補正、幾何学的ひずみ補正、雑音除去、画像の移動・回転・変形・輪郭強調、2値化、線・輪郭の抽出など、種々の処理を行うことをいいます。デジタル画像は、画素単位に処理が変えられるため、上記のように処理に自由度があり、高精度に処理が行えます。


画像部(ガゾウブ)/画線部(ガセンブ)

版下、割付け指定紙、校正刷り、印刷物などにおいて、画像が割り付けられ、印刷インキが付着する部分、または印刷版などでそれに対応する部分をいいます。


カット

印刷物の余白を飾る小さな絵や模様、印刷物の不必要な余白を埋め、またレイアウトに変化やアクセントを与えるために用います。昔は小間絵(駒絵)とも呼ばれ、書籍・雑誌の見出しの下部や本文の終わりなどの余白に挿入されるものをさしましたが、今日ではすべての印刷物について、上記の目的を満たす小さな装飾的挿絵を呼びます。カットを効果的に用いるためには、全体的なデザインのなかで、その絵柄・色・配置を検討、決定することが必要です。


活版印刷(カッパンインサツ)

凸版印刷の一種で、活字を組んで印刷する活字組版印刷の略です。


カブリ

感光材料で、未露光の部分が現像処理時に黒化していることをいいます。原因としては、感光材料を明るい場所に長時間放置したり、取り扱い中に光が漏れたり、または感光材料に圧力がかかった、などがあります。
参考→「色カブリ(イロカブリ)」


紙目(カミメ)

用紙を製造する機械(抄紙機)から流れ出る方向を「縦目」、それと直角の方向を「横目」といいます。これらを「紙目」といいます。パルプ繊維(セルロース)が流れの方向に並ぶことからこういいます。パルプ繊維を用いない合成紙や、手漉きの紙などには縦横がありません。


紙焼き(カミヤキ)

写植文字や写真などを印画紙に焼き付けること、または焼き付けたものをいいます。


ガモット圧縮(=Gamut compression、ガモットアッシュク)

RGBデータを印刷用のCMYBkデータに変換するときに行われる色圧縮の方法をいいます。RGBの色再現の範囲がCMYBkのものよりも広いために行われます。


カラーチャート

プロセスカラー(C、M、Y、Bk)を使って色の掛け合わせを変えて(例えば各色の網点%を10%ずつ段階的に変えていく)印刷した一覧表で、色見本帳の一種です。欲しい色をカラーチャートで探し、各版の網点%を調べることができます。


カラーパッチ

C、M、Y、Bkなどのインキの色を示す色票で、製版時に丸型のベタを原稿の脇に付けて撮影し、校正刷りの端に印刷します。


カラーマッチング

「元になる色」と「合わせ込む色」を1対1として捉え、補正して、変換テーブルなどを作成し、相対的に色合わせを行う手法です。その間の工程上の機器は特定していることが条件です。


カラーマネジメントシステム

画像処理において、元原稿やディスプレイ表示と印刷物とで色の違いが生じます。これを防ぐため、入力、加工、出力での色の管理を行うことを「カラーマネジメント」といい、ソフトウェアでカラー管理するシステムを「カラーマネジメント・システム」といいます。


感圧紙(カンアツシ)

@感圧複写紙:
筆圧によって複写できる加工紙のことをいいます。カーボン紙、ノーカーボン紙などがあります。
A感圧接着紙:
感圧接着剤(粘着剤)をコーティングした面を合わせて、常温で圧力を加えると接着する加工紙のことです。


感光材料(カンコウザイリョウ)

製版で使用するフィルム/ペーパーを指します。支持体の上に感光層を持ち、これに光を当て、現像処理することによって画像を得ます。


感色性(カンシキセイ)

写真感光材料の可視広域の各波長の色光に感ずる性質のことです。写真感光材料の主材料である臭化銀は紫外線から480nmの光(青色)に感じますが、さらに緑、赤の光に感ずるようにするためには、長波長光を吸収する色素での染色が必要となります。


漢字JISコード(カンジジスコード)

JISとは「Japanese Industrial Standards」の略で、「日本工業規格」の意味です。コンピュータ関係ではプログラミング言語などがJIS化されています。その一つにデータ伝送の基礎となる符号の標準化を目的として1978年に「JIS情報交換用漢字符号系」の「JIS C6226」が制定され、その後1983年に改定されました。現在使用されているものは「JIS C6226-83」で通常「JIS X0208」と呼ばれる8単位、2バイトで表わされています。使用文字種の標準として、漢字を第1水準(2965字)、第2水準(3388字)とし、加えて非漢字(524字)の合計6877字としています。これらの文字・記号類に固有コードを付けたものを「漢字JISコード」と呼んでいます。


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ギア目(ギアメ)

印刷機の原動歯車による印刷ムラで、印刷面の横方向に歯車の間隔で縞状で発生します。ギアの不良などが原因です。


キャッシュメモリ

転送速度の遅い周辺機器とCPUとの速度差を補えるように、中間にデータを蓄積するためのメモリです。


キャッチライト

画像中の最も明るい部分で、印刷しても網点の入らない紙白のところをいいます。


キャプション

写真や図版などの説明文のことをいいます。


キャプチャ(=capture)

パソコンのモニターに表示されている画面を、デジタル画像データとして保存することをいいます。


キャラクタイゼーション(=characterization)

DTP環境のカラーマネージメントを行う時にスキャナ、モニタ、プリンタなど入出力デバイスの色再現を測定し、その特性を記述したデバイスプロファイルを作成することをいいます。具体的にはL*a*b*値とRGBあるいはCMYBkの組み合わせのカラーパッチを測定するのは非現実的なので、実際には200〜1000パッチ程度の色を測定し、その他はそこから類推します。


キャリブレーション

カラースキャナやパソコンのディスプレイ上に表示される数値(網点%、色など)を、実際の出力値に合わせることで、「設定値の補正」を意味します。システムの経時による変化を調整し直すこともいいます。


級数(キュウスウ)

写真植字の文字の大きさを表わす単位のことで、1級=1歯=1/4oです。例えば、7級の文字の大きさは、一辺が1.75oです。最小単位の級が1oの4分の1(Quarter)であるからQで標記されます。


清打ち(キヨウチ)

平版の文字製版において、文字をタイプライタで専用用紙に印字することをいいます。写真撮影用の文字原稿とし、タイプライタで印字したものを活版の清刷りに対して清打ちといいます。機械的には一般のタイプライタのほかに清打ちを目的とした専用のタイプライタも作られています。


清刷り(キヨズリ)

活字の組み版をアート紙のように白地の滑らかな紙に高い精度で印刷したもの、また、ロゴなどの色や形の標準となる見本を平滑で白い紙に印刷したものをいいます。オフセットやグラビア印刷の原稿として使用したりします。


切り抜き(キリヌキ)

写真原稿で人物や商品など必要部分を使い他をカットすることをいいます。


金赤(キンアカ)

イエロー100%とマゼンタ100%で得られる赤色のことをいいます。黄味赤ともいいます。混色で出ない特色の金赤もあります。


禁則処理(キンソクショリ)

文章の体裁を整えるため、特定の文字(約物・数字など)が行頭や行末に来ないように調整したり、一連の数字が行をまたがらないように調整する処理方法です。


禁則文字(キンソクモジ)

行頭や行末にあると読みにくくなる文字で、記号([(「{”)などの行末禁則文字、促音(ぁぃぅぇぉっゃゅょ)・音引き(ー)・記号(.,。・、'}」)]¥$%)などの行頭禁則文字があります。


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グヌーテラ

AOLグループ会社の開発者が開発したファイル検索「ファイル交換ソフト」でフリーソフト。似たような機能でナップスターがあるが、これは音楽用のMP3の圧縮ファイルが検索対象だが、グヌーテラは音楽・映像・文書全てを検索対象にできる。


グラデーション(=gradation)

網点面積を連続調のように次第に変化させることにより濃淡を表現する方法です。グラデーションはボカシの形やボケ足の長さによって、エアーブラシや写真手法を使用してボカシの版下を準備し、これを網撮影して作成します。写真の輪郭をグラデーション仕上げにしたものを「ボケ版」と呼びます。


グラビア印刷(グラビアインサツ)

凹版印刷の一種で胴版に焼き付け、腐食液で腐食した版の凹部にインクをためて刷る印刷方式をいいます。耐刷力(耐用刷数...刷れる枚数)が高いのも特長の一つです。調子の再現が良いため、写真の再現によく使われています。以前は写真の頁に良く使われたため写真頁をグラビア頁と呼んでいましたが、今はオfyセット・PS版の印刷に変わりつつあります。網点の大小によって調子を表わすグラビア方式をニューグラビアまたは網グラビアと呼び、版の凹部面積は同じで深さによって調子を表わす方式をコンペンショナルグラビアといいます。


クルーソー

1995年設立の(米)ベンチャー「トランスメタ社」が開発した、低消費電力型の新型MPU


グレースケール

グレースケールとは一定の濃度差を段階状に変化させたもので、透過光量を定量的に変化させた透過型と、反射光量を定量的に変化させた反射型の2種類があります。調子再現、網階調再現、露光合わせなどの基準として使用します。


グレーバランス

シアン、マゼンタ、イエローの3色が印刷されたとき、ニュートラルグレー(無彩色)になる各版の網点%の組み合わせのことをいいます。


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軽印刷(ケイインサツ)

比較的安価で簡単に印刷物を作る印刷方式の総称です。軽印刷それ自体を指す方式はなく、孔版、タイプ、マスタペーパ版、オフセット印刷などが含まれます。


罫線(ケイセン)

線の総称で、罫には大きさ、形など様々な種類があります。
・指定の時に引いた罫が仕上がりの時に必要でない場合ケイアタリ、またはアタリケイと指定します。
・罫を仕上がりでそのまま出したい時には、ケイイキと指定します。


化粧断ち(ケショウダチ)

最後の仕上げ断裁のことです。


毛抜き合わせ(ケヌキアワセ)

語源は写真と写真、写真と網などを、毛1本のスキ間も空かないように合わせることから来ています。


下版(ゲハン)

校了になった最終フィルムを製版・印刷工程にまわすことをいいます。下版してからの直し、変更は原則としてできません。


ゲラ

活字組版を入れる(載せる)ための、浅い盆状の容器です。置きゲラ、組ゲラ、棒ゲラなどがあります。


ゲラ刷り(ゲラズリ)

校正刷りのことです。活字組版(活版)では組み上げた版を[ゲラ]と呼ばれる箱に入れておきますが、この箱のまま校正機にかけたことからそういいます。


見当合わせ(ケントウアワセ)

2色刷り以上のカラー印刷や、カラープルーフフィルムの位置を合わせることをいいます。見当が合わなければ版ズレが起こります。(トンボ合わせともいいます。)


検版(ケンバン)

できあがった版下・フィルム・印刷物が、指定通りに仕上がっているかを検査することをいいます。

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更紙(コウシ)

→「更紙(サラガミ)」参照。


校正(コウセイ)

製版に誤りがないかどうか確認する作業で、製版したものを社内で確認することを内校といい、クライアント(発注者)に見せるために出す校正を外校といいます。外校でOKになったカラー印刷の校正刷り印刷物は印刷の時に刷り見本になります。この刷り見本に合わせて多量の本機による印刷を行います。


校正記号(コウセイキゴウ)

文字の校正を行なう時に、誰が校正し、誰が読んでもわかるように、JIS(日本工業規格)で統一した記号のことをいいます。


孔版印刷(コウハンインサツ)

謄写版印刷やスクリーン印刷のように版枠という枠に紗を張力を与えて貼り付けたものの上に皮膜を構成し、紗をインキが通過する部分と通過させない部分を作り、刷版の版膜にインキを通過させて被印刷体に転位させる印刷法です。


ゴースト

本来、絵柄にない様な濃淡が印刷時に生じる現象で、被印刷物の流れの方向に沿って尾を引いたようなパターンをいいます。絵柄のレイアウトやインキ着けローラの調整不良などから起こります。


コート紙(コートシ)

紙の表面に顔料をつけ、均一に表面処理をしてつやをつけた印刷用紙です。アート紙より顔料の量が少なく、印刷の品質もアート紙より少し悪くなり、値段もアート紙より安価です。


小口(コグチ) 本の背を除く三方のことです。背の反対側だけを指すことが多いです。


誤植(ゴショク)

写植文字や活版印刷で誤って植字した文字の間違いを一括して誤植といいます。誤字のある原稿をそのまま植字したものも誤植として校正しなければなりません。


コンタクトスクリーン

原稿の濃度を印刷物で表現するためには網点の大小におきかえる必要があり、そのために利用されるのがコンタクトスクリーンです。一般に使われているコンタクトスクリーンはポジ用/ネガ用、またはグレー/マゼンタ、網点形状としてはスクエア/チェーンなどがあり、更に1インチの間隔にいくつの網点が並んでいるかを示すスクリーンレンジなどで分類されています。


コントラスト

印刷絵柄の調子再現における明暗の対比をいいます。「コントラストをつける」という慣用語句があり、これは調子再現を「硬く」する意味です。コントラストを上げるには、絵柄の調子再現を硬くするのみでなく、隣接する絵柄濃度の対比を強くします。


コンバート

ハードウェア、ソフトウェア変換機を意味します。ある形式の入力信号(入力データ)を別の形式で出力するハードウェア(ソフトウェア)のことをいいます。


コンピュータウィルス(=Computer Virus)

ネットワークやディスクコピーを通じてコンピュータ・システムに密かに潜入し、ディスクの内容などを破壊してしまうプログラムのことをいいます。ウィルスの存在を確認するプログラムや、修復するワクチンプログラムも開発されていますが、根絶することは困難です。ファイルを媒介としているのでOSやハード・ディスクの領域を汚染することはありませんが、自己複製を起こすのでシステムに何らかの障害を起こす可能性があり、自衛手段は必要です。


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