一般に帳票デザインを行う場合は、どんなイメージを帳票に与えたいかということ、つまり「帳票のイメージづくり」を先ず考えてデザインし始めることが多いのではないでしょうか。
しかし、イメージ先行でデザインしていくと機能性、使い勝手を忘れがちです。前回までの「機能性」と「美しさ」を高めるための、実機能に主眼を置いたテクニックを常に考えながら、その上でさらなる付加価値として全体のイメージをまとめ上げていくことが大切です。
では帳票のイメージをどのように作り上げていけば良いのでしょうか。
実は、ワク取りによって、帳票全体のイメージはほとんど決まってしまいます。先ずは帳票のイメージを作り上げる最も大きな要素、ワク取りについて見てみましょう。
ワク取りのパターン
「ケイ線」の回でも簡単に紹介しましたが、帳票におけるケイ線でのワク取りには、基本的に以下の3種類があります。
(図1)
この3種類に、『色彩・アミ』の回で取り上げた基本的なアミのバリエーション2種類(図2)を加え、ワク取りの基本的なバリエーションは5種類と考えて良いでしょう。
これら5種類のワクの取り方の組み合わせで、最適な帳票イメージ、雰囲気を演出します。
基本設計でグループ分けした各項目に、どのようなワク取りが適しているか、印象、雰囲気、バランスを考えて適用していきます。
ケイ線でのワク取りで3種類、それに色、アミ、グラデーションとの組み合わせも考えると、そのバリエーションは無数に及びます。
「ワンパターン」にならないように、なおかつ企業や商品のイメージ、帳票の用途・目的・使用者などを十分に把握した上で、ベストのパターンを採用したいものです。
ここでは、上下2分割の場合の、ワク取りパターンの展開例をいくつかご紹介します。(図3)
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