1.色の識別効果を活かす〜多パーツものを色で識別
多パーツものの帳票では、タイトルの違いのみで各パーツを識別させるのは不親切でしょう。そこでパーツごとに印刷色を変えるのが分かりやすく効果的なのですが、その場合にも"文字とケイのみ"といったデザインでは、色の違いが識別しずらく、効果が薄くなってしまいます。
識別効果を高めるためには、タイトル部を太い帯にしたり、広い面積をアミにするなど、目に飛び込んでくる色情報を増やし、その色を強く識別できる工夫を加えましょう。(図8)
2.色の識別効果を活かす〜各ゾーンを色で識別
第1回の『基本設計』の「ゾーニングを活かした配置」でも少し触れましたが、項目をグループ化した各ゾーンを区別させるために、色を使うことは効果的です。
ひと目で各ゾーンを明確に区別できれば、記入時の視線をリードでき、記入しやすい帳票となります。 たとえ1色刷りでも、色、アミ、白地、白ヌキ文字などで区別することが可能です。(図9)

3.項目数の多い帳票はまわりをアミでしめる
項目数の多い帳票は雑然としたデザインになりやすく、煩雑な印象を与えやすいものです。これを防ぐには、全体をアミで囲むと効果的です。
記入欄が白地であることにより、細かい項目など、結果的に書きやすく、読みやすくなるという効果も期待できます。(図10)
4.B紙・C紙の記入・印字欄のアミは20%まで
記入欄、印字欄にアミ地を用いる場合は、記入・印字した文字がはっきりと読めなければなりません。しかも、感圧紙の場合、2P目以降はB紙(中用紙)、C紙(下用紙)の発色を損なわないように20%以下のアミにしたいものです。淡い色の場合でも、20%以下に抑えるのが無難でしょう。(図11)

5.グラデーションの使い方
記入欄、印字欄にグラデーションを用いるときも4同様、文字の読みやすさを優先して、濃い部分でも30%のアミに抑えたいものです。(図12)
ただし、記入・印字に関係ない部分のグラデーションは、0%→100%で変化させるとメリハリが付いて効果的です。タイトル帯などでは、0%側にベタ文字、100%側に白ヌキ文字というように片寄らせ、文字の明度差を高く保ち、読みやすさを損なわない工夫をしましょう。(図13)

6.ファントムを入れる場合
記入欄、印字欄にファントムを入れる場合は、記入・印字された文字、特に感圧紙の発色文字が読みにくくならないような配慮が必要です。とりわけ線画や複雑な絵柄のファントムは、細かい数字を読みにくくするので注意が必要です。アミ濃度は30%以下、できるだけ薄くしましょう。絵柄によってはアミ地に白ヌキのファントムの方が、読みやすさを損なわないでしょう。(図14)
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