(1)プラモデルキットを選ぶコツ
プラモデルは、実は商標登録された固有名詞で、プラスチックモデルキットの略です。昭和30年代も半ばになると、戦艦「大和」やキャラクター「鉄人28号」といった国産品も発売されるようになりました。以来、多種多様なプラモデルが発売されています。
スポーツカーや戦闘機、キャラクターものなどが一般的ですが、最近は、城や武具、団地などの建物、昔の家電といった変わり種から、1/48サイズの有人潜水調査船や1/350サイズの旧日本海軍の重巡洋艦といった精巧な模型まで、多様なキットも発売されています。
プラモデルというと、子どもの趣味のようにも見えるかもしれませんが、近年は現物そのままの模型を作ることができるプラモデルが続々と登場しています。緻密な分、難易度も高いので、作り応えも十分で、大人が熱中するのにふさわしいものといえます。
久しぶりにプラモデルを始めようという人は、どのように選べばいいか悩むものです。自分の作ってみたいものの模型であることがもっとも大切ですが、もしも悩むのなら、次の3つをポイントに選んでみてください。
●説明書の読みやすさ
海外メーカーの製品は説明書が英語でしか書かれていないことも多く、その内容が大雑把なこともしばしば。日本語の説明書があるかどうかは、ショップの人に確認するようにしましょう。この点では、国産のプラモデルは安心です。加えて、国産であれば、仕上げの塗装に使う塗料も日本で手に入りやすい品番で指示されています。
●破損や紛失した部品が購入できるアフターサービスの有無
細かい部品が多いプラモデルは、部品の一部だけでも買い足すことができるかを確認しておくのがおすすめです。国内メーカーの多くがアフターサービスで部品の請求ができるようになっています。
(2)そろえておきたい工具
プラモデルキットを選んだら、次に組み立てに必要な工具が手元にあるか確認し、そろえていきます。一番こだわっておきたい工具がニッパーです。ランナー(部品が付いた枠)から部品を切り取る際に使います。爪切りなどで代用することもできますが、歯が細く切れ味の良い模型メーカーから発売されているニッパーがおすすめです。部品が傷つくこともなくなり、作業効率も上がります。そのほか、切断箇所の表面を整えるスティックヤスリや先端が細いピンセットも必要になります。
また、塗装は筆でもできますが、エアブラシは、初心者でも塗装の仕上がりが格段にレベルアップする優れものです。具体的には、ハンドピースと呼ばれる、実際に塗料を噴射する器具をガスボンベやコンプレッサー(空気を圧縮し、ハンドピースに送る機器)につなぎ、圧縮した空気をハンドピースに送り、霧状になった塗料を吹き付けていきます。塗らない部分は、専用のマスキングテープを貼って避けます。ハンドピースやコンプレッサーといった器具をそろえるには、1〜4万円程度必要にはなりますが、いくつか作ってみようと考えている人には、欠かせない道具です。
(3)完成した作品の楽しみ方いろいろ
プラモデルは、完成した後も思い思いに楽しめるのが魅力のひとつです。王道は、ディスプレイ棚に並べて飾る楽しみ方です。せっかくのプラモデルにホコリがたまらないように、アクリル製のディスプレイボックスなど密閉できるように工夫するのがポイントです。
また、かっこよく写真に撮り、ブログなどにアップして楽しむ方法もあります。愛好家同士での情報交換の場にもなり、完成品は広く見てもらうとモチベーションにもつながります。写真を撮影する際には、太陽の光がたっぷり入る窓辺で撮影しましょう。写真のようにバック紙を敷き、レフ板(アルミ箔を厚紙に貼ったものなどでも代用できます)で太陽光を反射して、作品に光が当たるように工夫します。ちょっとした工夫で写真のクオリティーが上がるので、ぜひ実践してみてください。腕を上げるには、模型メーカーが開催するコンテストに、自分の作品を出品するのもいいでしょう。もてぎサーキットで開催されるバイク模型限定のコンテストなど、多種多様な大会があります。
コツコツと組み立てた末に得られる完成の達成感と、出来上がった作品への愛着はまた格別です。ジャンルもますます広がったプラモデルの中から、思わずはまってしまうものを見つけてみてはいかがでしょうか。
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