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ロハスなはなし 第45回 エコの知識をもっと深める 環境系検定&資格
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▲eco検定の公式ホームページ
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▲子どもたちに森林をガイドしたり、一緒にキャンプの手伝いをしたりといった、小中学生の環境学習をサポートするのも森林インストラクターの活動のひとつです。(写真提供:社団法人全国森林レクリエーション協会)
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▲自然観察指導員をライフワークと考え、身の回りの自然の素晴らしさを伝える活動に取り組む人たちが増えています。(写真提供:財団法人日本自然保護協会)
第45回
エコの知識をもっと深める
環境系検定&資格
2009/12/10
 

(1)eco検定
 環境問題に関する知識を身に付けるための機会として最適な検定試験が「eco検定(正式名称:環境社会検定試験)」です。2009年12月に第7回目となるeco検定は、東京商工会議所などが主催し、今では環境系検定の定番試験ともいえます。前回、2009年7月に行われた第6回試験では過去最大の27,582人が受験し、2006年の試験開始から4年で受験者数は累計10万人を突破しました。環境教育ツールとして利用して、社員に受験を促す企業も増えています。
 eco検定は「持続可能な社会をわたしたちの手で」をコンセプトに、自然環境に関する基礎知識から環境問題の実態や世界の動きまで、環境にまつわる知識が幅広く出題されます。ごみや生活排水、エコ家電など日常の暮らしに直結するトピックスだけではなく、カーボン・オフセットやグリーン購入といった社会や企業の活動に関連した課題も範囲になります。つまり、eco検定の試験勉強をすると、今注目されている環境の話題や取り組むべき課題についての知識を身に付けることができます。そこが人気を集めている大きな理由といえます。
 eco検定では、環境問題に対する基本的な知識があり、そこから生まれる問題意識をなにか行動に移そうとしているeco検定合格者を「エコピープル」と呼び、社会にエコピープルがさらに増えることを目的としています。出題はマークシート方式による選択問題で、100点満点で70点以上を取れば合格となります。試験は年2回、全国で実施されていて、年齢・学歴・国籍を問わず、誰でも受験できます。

(2)森林インストラクター
 資格を取って活動に生かしたいという場合は、「森林インストラクター」に挑戦してみるのもおすすめです。森林インストラクターは、社団法人全国森林レクリエーション協会が認定する資格で、自然環境教育のサポートをする案内人です。資格試験を通じて、自然と森林のしくみ、森林づくりと林業、野外での活動、教育の方法、安全対策などについて学びます。
 資格試験合格後は、森林インストラクターとして協会に登録します。そして森林に訪れた一般の人に対して、森林や林業に関する知識を伝えながら、森林の案内や野外活動の指導を行います。具体的には、森林インストラクターの人たちで作った全国森林インストラクター会や都道府県を単位とする地域の会などに寄せられた、一般の人からのインストラクター要請を受けて活動します。インストラクターは、森のマップ作り、里山整備や林業学習、キャンプやレクリエーション、ネイチャークラフト、環境教育ワークショップなどのアクティビティを来訪者の要望に応えながら、コーディネートできます。
 森林インストラクターは、ボランティア活動に生かすこともできる魅力的な資格試験です。試験の応募資格は、20歳以上であれば受験可能です。試験は二次試験まであり、一次試験は、『森林』『林業』『森林内の野外活動』、または『安全及び教育』の4科目について記述式を主体とした筆記試験です。こちらに合格すると二次に進むことができ、試験委員による実技試験と面接があります。森林インストラクターは資格が活動に直結することもあり、若干難易度が高めです。二次試験の実技が免除になる森林インストラクター養成講習もありますので、活用するのもよいでしょう。

(3)環境に関するさまざまな資格や検定試験
 そのほかにも、環境カウンセラーや自然観察指導員、エコツアーガイド、3R(スリーアール)検定などさまざまな資格や検定があります。これまでの経験や興味を生かすことができる資格や検定試験を選んで、受験するとよいでしょう。例えば、すでに環境保全についての専門知識や活動実績をもっている場合には、「環境カウンセラー」に挑戦すると活動の幅が広がるでしょう。環境カウンセラーは、「市民活動や事業活動の中での環境保全に関する取り組みについて豊富な実績や経験を有し、環境保全に取り組む市民団体や事業者などに対して、きめ細かな助言を行うことのできる人材」を登録する環境省所管の制度です。あらかじめ出されている課題論文を提出し、論文合格者は面接試験を受け、合格すれば環境カウンセラーとして登録されます。地域ごとに環境カウンセラー協会(協議会)が開設されていて、多くのカウンセラーは協会に所属し、環境保全にまつわる啓発活動を行っています。
 また、身近な自然を守るボランティア活動を積極的に行いたいという人には、「自然観察指導員」という民間の登録制度もあります。自然観察指導員とは、地域に根ざした自然観察会を開き、一緒に自然を守っていく仲間をつくっていくボランティアリーダーです。自然観察指導員になるには、財団法人日本自然保護協会が各地で開催する2泊3日の養成講習会に参加します。仕事がある人でも参加できるように、基本的には週末の金土日を利用して、毎年全国各地で十数回開催されています。野外実習と講義を組み合わせた3日間の講習会を無事に修了し、任意の登録申請を行えば、日本自然保護協会の自然観察指導員として登録され、登録証、腕章、ネームプレートが支給されます。この自然観察指導員の養成講習会は1978年から始められていて、これまでに講習会を修了し認定された人は2万4,000人を超えています。環境保全に関する専門的な勉強をしてきたわけではなくとも、日ごろから山歩きやキャンプなどアウトドアが趣味という人、地域貢献をしたいという人には、最適な制度といえます。

 このように環境にまつわる資格や検定試験は数多くあります。環境問題に関する知識を深める機会として、ぜひ活用してください。


<参考>
社団法人全国森林レクリエーション協会
→http://www.shinrinreku.jp/top/
全国森林インストラクター会
→http://www.shinrin-instructor.org/
財団法人日本自然保護協会
→http://www.nacsj.or.jp/
 
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