オーガニックコットンって?
日本オーガニックコットン協会によると、3年間農薬や化学肥料を使っていない農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花のことを「オーガニックコットン」と言います。主な栽培国はトルコ、インド、中国、シリア、ペルー、アメリカなど約20カ国。栽培に使われる農薬・肥料については基準が設けられており、国際的に最も信頼されている「IFOAM(国際有機農業運動連盟)」の厳しい基準を順守し、IFOAMによって正式に認定された各国のオーガニック認証機関が実地検査を行っています。
オーガニックコットンの栽培には、大変な努力がされています。例えば綿に付く害虫を防ぐために、テントウムシなどの昆虫を利用したり、収穫時期を早くするための処方は行わずに、自然に葉が落ちるのを待つことなど、自然に優しい形で栽培されています。
収穫されたオーガニックコットンは、紡績、織布、ニット、染色加工、縫製などの製造工程を経て、最終製品となります。これらの製造の全工程においても、化学薬品を最小限に減らす努力が続けられています。こうした環境への配慮は、川や海の水質汚染を防ぐことにもなります。
注目される理由
アメリカの非営利団体Organic Exchangeの発表によると、2006〜07年度のオーガニックコットンの世界生産は57,931トン。前年度と比べ53%も上昇しました。それでも綿花総量(約2,500万トン)の中でオーガニックコットンが占める割合は、0.2%ほどです。
オーガニックコットンで作られた製品には、ハンカチや肌着、寝具、ベビー用品などさまざま。一見、普通のコットンと同じように見えるオーガニックコットンですが、どこが違うのでしょうか?
防縮剤や柔軟剤などの化学物質で処理されたコットンは、洗い続けると次第にふわふわ感がなくなってしまいます。その点オーガニックコットンは、天然のコットンの性質を持ち続け、最初のうちは油分が多くて吸水性が弱い点もありますが、洗濯を重ねるごとに風合いが増し、柔軟剤を使わなくてもチクチクと肌を刺激することがありません。生まれたての赤ちゃんや、肌の弱い人やアトピーの人にも安心です
また、コットンが本来持っている紫外線(UV)の遮断効果が化学処理などによって損なわれないことも特長の一つです。オーガニックコットンで作られた製品が体に触れるものが多いのも、これらの性質を生かしているからなのでしょう。
自然の恵みをたっぷり受けて栽培され、丁寧に加工されたオーガニックコットン。製品の取り扱いには合成洗剤や柔軟剤を使わず、自然環境に配慮した石けんなどを利用して、コットン本来の力を生かしましょう。
■オーガニックコットンと普通のコットンとの違い
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オーガニックコットン |
普通のコットン |
土壌 |
堆肥などの有機成分を使用。
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土壌を殺菌し、除草剤や化学肥料を使用。 |
雑草 |
耕運機で土を掘り起こし、雑草を土に埋める。 |
除草剤を散布して雑草を枯らす。 |
害虫 |
殺虫剤の代わりにテントウムシなどの天敵が害虫の発生を抑える。 |
殺虫剤を散布して害虫を駆除。 |
収穫 |
葉が自然に落ちるのを待ってから収穫。 |
落葉剤を散布して人為的に葉を落とし収穫。 |
糸から布へ |
除去しやすい天然ワックスや分解されやすいでんぷんを主体に使用。 |
パラフィン、合成ワックスや分解されにくい化学合成糊を使用。 |
染色から
仕上げ |
染料は厳しく制限されていて、皮膚を刺激するカチオン系柔軟剤も使用禁止。ホルマリンの発生源となる薬品も使わない。 |
苛性ソーダ、硫酸、塩素系漂白剤などの薬品を使用。重金属を含んだ薬品が使われることも。 |
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