CLUB GC  
ロハスなはなし 第22回 もっと知ろう 箸の事<豆知識編>
ロハスなはなし
▲漆塗りの技術を施した「塗箸」は、江戸時代の中期に生まれたものと伝えられています。
ロハスなはなし
▲現在私たちが使っている割り箸の原料は、アスペン・シラカバ・エゾマツなどが中心です。
第22回 もっと知ろう 箸のこと<豆知識編>
2008/1/10
 
 

箸の歴史・・・箸の文化を日本に広めたのは聖徳太子だった!
 そもそも箸は、どのようにして生まれてきたのでしょうか? 5000年前の中国で、煮えたぎった鍋から食べ物を取り出すのに、二本の木の枝を使ったのが始まりと伝えられています。わが国に箸が入ってきたのは、弥生時代の末期であると言われています。当時の箸は現在のような二本一組の箸ではなく、「折箸」という細く削った一本の竹をピンセットのように折り曲げた形でした。「箸」という字が「竹かんむり」なのもこれによるものです。
 わが国で箸食を初めて制度として採用したのは、皆さんご存じの聖徳太子です。7世紀の初めに小野妹子らを遣隋使として派遣した折、小野妹子らは箸を使った食事作法で歓待を受けました。この作法の報告を受けた聖徳太子は、さっそく宮中の宴に箸食を採用したというわけです。その後、宮中から寺院を通して箸食制度が庶民に伝わり、一般化されたのは8世紀になってからです。
 では割り箸の歴史はどうかというと意外と新しく、江戸時代の後期に鰻屋で初めて使用されたと伝えられています。当時は、竹製が主なものだったそうです。
 現在のような形の割り箸が作られるようになったのは、明治時代の初期です。奈良県吉野の寺子屋教師であった島本 忠雄氏が、吉野杉の端材で作りました。当時はもちろん手つくりでした。機械化による量産体制に入ったのは、昭和時代の初期からです。

知っておくと便利! 箸のことわざ・慣用句
 箸にまつわることわざや慣用句はたくさんありますが、ここでいくつか紹介しましょう。皆さんはどのくらいご存じですか?

箸にも棒にもかからぬ (小さな箸にも大きな棒にも引っかからない意から)どうにも取り扱いようのない例え。また、何もとりえのない例え。
亭主と箸は強いが良い 軟弱な夫と折れやすい箸は困りもので、この二つは強いほうが良いということ。
箸の上げ下ろし 日常のささいな一挙一動。用法:細かなことにも口やかましく小言を言う場合に用いる。
箸が転んでもおかしい年頃 日常のなんでもない出来事にもおかしがる年頃。特に、女性の10代後半の年頃を言う。
箸より重いものを持たない 箸を持つ以上の労働をした経験がないこと。裕福な家庭で何不自由なく育ち、大事に育てられることの例え。
箸で銜(くく)めるよう (箸で食べ物を取って幼児の口の中に入れてあげるように)相手がよく理解できるように、懇切丁寧に教える様子。
箸に当たり棒に当たる 腹を立てて関係のないものにまで当たり散らすこと。八つ当たりの意味もある。

正しい箸使いを学ぼう
 昨今、箸の正しい持ち方を知らない日本人が増加していると聞きます。わが国には「迷い箸」「渡し箸」など、箸使いのタブーがいくつかあります。箸の使い方は、日本人にとっての食事のマナーの基本と言えます。
 この機会に、箸の使い方を見直してみませんか。

迷い箸 どれにしようか迷い、箸が行ったり来たりする。
移り箸 いったん箸をつけながら、ほかの料理に箸を移す。
寄せ箸 箸を器に入れて引き寄せたり、向こうへ押しやる。
探り箸 盛り付けの下の方から探って取り出す。
ねぶり箸 箸をなめたり、くわえたりする。
刺し箸 料理を箸で突き刺して取る。
渡し箸 器の上に箸を渡して置く。
仏箸 ご飯に箸を突き立てる。

 初めは食事の道具に過ぎなかった箸ですが、長い歴史を経て私たちの生活習慣に溶け込んでいます。毎日使うものだからこそ、先人の知恵に感謝して大切に使っていきたいものです。

<参考>
箸(大阪教育大学)
→http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~ioku/foodsite/hashi/
箸と歴史の文化
→http://www.hyozaemon.co.jp/contents/html/history_01.html
 

閉じる
ロハスって?
Copyright(c) 2008 FUJIFILM BUSINESS SUPPLY CO., LTD. All Rights Reserved.