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ロハスなはなし 第15回 ガラス瓶のリサイクル
ロハスなはなし
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▲いつもお馴染みのワインボトルやお酒のボトル。これらの空き瓶は、ラベルを剥がして粉々に砕かれ、混色カレットとして再生されます
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▲板橋区の四つ又通りに設置されている「ワインブロック」。一見これはどこにでもある舗装道路ですが、実はたくさんのワインボトルが再生され、ブロックの形に姿を変えています
ロハスなはなし
▲光に当たると、キラキラと少しだけ反射します。アスファルトほど高熱にならないので、ヒートアイランド現象を防ぐ効果も期待されています
第15回 ガラス瓶のリサイクル
2007/6/8
 
 

ガラス瓶は、省エネ&環境保護に一役買っています
 回収された空き瓶は、ラベルを取り除いてから細かく砕かれます。これを「カレット」と言います。カレットは、ガラス瓶の原料の一つです。そもそも、ガラス瓶1本の約8割はカレットからできています。原料にカレットを混ぜると、瓶のほかの原料が溶けやすくなり、省エネルギーにもなります。つまり、CO²排出量も大幅に削減するのです。
 現在、市町村における分別収集で、ガラス瓶は「茶色・無職透明・その他の色」のほぼ3つに分別されています。近年の技術革新により、再利用が特に難しかった青、緑、黒など色が混じった「その他の色」のカレット(混色カレット)も再利用できるようになりました。さらに、これら混色カレットを90%以上利用して作るガラス瓶を「エコロジーボトル」と呼びます。エコロジーボトルは、ワインボトルやウイスキー用のボトル、調味料用など、さまざまな製品に使われ、2004年にはなんと年間約1億本が出荷されています。
 ガラス瓶は、空き瓶を砕いて溶かして再び作ったものです。言ってみれば、何度も生まれ変わることができる、エコロジー容器なのです。

最注目されるリターナブル瓶
 一方、何度も洗って使えるのが、ガラス瓶の長所です。これを、リターナブル瓶と呼んでいます。リターナブル瓶の代表といえば、牛乳瓶とビール瓶です。最近のビール瓶は、約24回くり返し使っているそうです。リターナブル瓶は何度も使える反面、重たくて不便という印象がありました。けれども最近は、軽くて丈夫な瓶が登場しています。牛乳瓶は、従来に比べて約40%以上軽くなったリターナブル瓶が使われるようになっています。瓶の軽量化によって商品が運びやすくなり、消費者だけでなくそれらを扱う販売店の人たちにも重宝がられています。軽くなって運びやすくなれば、運搬の負担が軽減され、輸送燃料の軽減にもつながります。また、軽量化すると材料も少なくてすむので、資源の節約にもつながります。人々のライフスタイルや流通形態の変化で、やや減少傾向にあったリターナブル瓶ですが、最近は環境面からみた優位点が再び評価され、見直されてきています。

ガラス 用途いろいろ
①蛍光灯も廃棄されず意外な使い道に

 ガラス瓶以外で分別回収されているのが、不用となった蛍光灯です。蛍光灯は、再利用できない「そのほかのゴミ」として扱われています。これは結局、埋め立て処理されるのですが、蛍光灯に含まれる水銀による土壌汚染が懸念されます。そこで、不用となった蛍光灯に特別な処理を施して、コップなどの生活用品の材料に再利用する会社が登場しました。安全で環境にやさしいエコグラスとして、すでにエコマークを取得し商品化されています。

②ガラス廃材で交通安全
 ガラス瓶の100%資源化を目指した、さまざまな動きがあります。その中の一つに、需要の低い「その他の色」の空き瓶を、瓶以外の用途で利用しようという取り組み(他用途利用)が積極的に進められています。
 まず代表的なものに「住宅用断熱材」(ガラス短繊維)があります。砂の代わりとして「道路舗装材」や「埋め戻し材」などにも使われます。水を吸わないガラスの特性を生かして地盤改良に使ったり、建築材料の「軽量発泡骨材」としての用途開発も進んでいます。
 板橋区がメーカーと共同で開発した「ワインブロック」は、表面に100%、全体で30〜42%ワインボトルのガラスを使用したコンクリート製のレンガブロックです。使用したワインボトルは、100本/m²。約50kgのガラスをリサイクルしています。この「ワインブロック」は、天然石を使った通常のブロックに比べて、高い透水性を持っています。すでに板橋区内の四ツ又通りで4,400m²にわたって使われています。この通りでは、ガラスの反射などの可視性の高さが、交通安全においても一役買っています。また、既存のコンクリートブロックとは、一線を画した美観だということで地元の人にも評判です。
 四ツ又通りで夏に行われた表面温度測定では、アスファルトに比べて10度以上も温度が低いという結果が出ています。都市部で問題となっているヒートアイランド現象の抑制効果のある製品としても、期待されています。

ガラス廃材の用途
分野 用途
 ガラス原料 ガラス瓶、住宅用断熱材、ガラス工芸品
 建築材料 タイル、ブロック、軽量発泡骨材
 その他 土木材料、床砂などの園芸材料


参考:ガラス瓶リサイクル促進協議会
 

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