日本人は、年間何枚使う?
年間でいったい何枚のレジ袋が日本人の手に渡っていると思いますか? なんと、約300億枚を超えるそうです。これは、1人あたり年間約350枚以上のレジ袋を使っていることになります。レジ袋はポリエチレンなどの合成樹脂、つまり石油から作られるプラスチック製品で、レジ袋の年間消費枚数300億枚を原油に換算すると、その量約558,000キロリットルにもなります。東京ドームの約半分、ドラム缶だと279万本分にもなります。
レジ袋問題、解決法の糸口はどこに?
多量に消費されるレジ袋ですが、そもそもその用途は買ったものを家に運ぶためだけのもの。しかし、これだけの枚数が人々の手に渡るのには、まだ理由があるようです。ある集計によると、家庭のゴミ袋としてリユースするケースが圧倒的多数を占めています。家族が少人数化した今、自治体指定のゴミ袋では大き過ぎるといった声もあり、スーパーのレジ袋の適度な大きさが重宝というのが理由のようです。一方で、保管はするものの数多く溜まってしまったレジ袋を結局は捨ててしまうというアンケート回答も多数あるようです。
今後のレジ袋有料化によって、今まで無意識に手にしていた分は減っていくに違いありません。しかしレジ袋の用途が、生活スタイルにすでに根付いている家庭では、結局その代替品を買ってしまうことになるのでは、とも言われています。
海外のレジ袋事情〜エコバックあれこれ
レジ袋の使用を減らすための策として、マイバック持参が推奨されています。店舗によってはポイントが加算されたり、集めたスタンプが金券に交換できたりなど、その特典はさまざまです。ある地域のスーパーでレジ袋有料化施行とともにマイバック持参を積極的に呼びかけたところ、その持参率が格段に向上したという結果が出たところもあります。
雑貨店などでは、カラフルで洒落たデザインのエコバックが豊富に登場し、さまざまなタイプのものが新聞や雑誌などに掲載され、ブームの気配すら感じさせます。
台湾では、法律でレジ袋の有料化が義務付けられ、また大型スーパーなどのレジ袋の有料化がすでに普及しているフランスでは、議会が国の基本法として、生分解されないレジ袋の販売・配布禁止を議決しました。環境保全上の効果のほかに、代替品となる植物由来の袋の原料の生産が増加傾向にあり、国内の農業の活性化への期待もこめられているそうです。オーストラリアのスーパーでは1枚99セントでエコバックを販売し、街のあちこちで鮮やかな緑色のエコバックを持ち歩く人が目立ち、その普及率の高さがうかがえます。
軽くて丈夫、安定感もあって持ちやすいエコバッグ。日本では、きちんと普及につながっていくのでしょうか。
レジ袋代金の行方
今回の「リサイクル法」の施行に併せて、レジ袋有料化の話をよく耳にしますが、これがちょっとした議論にもなっています。
現時点でレジ袋の代金を徴収しているスーパーでは、1枚5円、10円とその値段もばらつきがあります。4月の法施行に向けて実験的に代金徴収を実施している都内のスーパーは、回収したレジ袋代を環境学習用として最寄りの小学校に寄付するそうです。
もともとの原価が約2〜3円と言われているレジ袋ですが、あるデータでは現状のすべてのレジ袋を有料化したとしてその値段を1枚5円とすると、かなりの過剰金が出てくると推測しています。また、最近は5円という単価を決めること自体が独占禁止法だという、新潟県佐渡市の公正取引委員会から指摘された例もあります。
資源節約、廃棄物削減目的を発端にしたレジ袋問題、その行く末は今後私たちの利用方法にもかかっています。
参考:日本ポリオレフィンフィルム工業組合資料、北海道新聞社
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