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ロハスなはなし 第11回 お米の話 -ルーツ篇-
ロハスなはなし 第11回 お米の話 -ルーツ篇-
▲日本人の誰にとっても、たわわに実る稲穂の姿は壮観です
ロハスなはなし 第11回 お米の話 -ルーツ篇-
▲多彩な機能をもつ水田。養分の効率化、病気予防、農薬も少なくてすむなど、自然のメカニズムを有効利用できるように合理的にできています
ロハスなはなし 第11回 お米の話 -ルーツ篇-
▲香ばしい香りがする黒米。通常の白米と同じ炊き方でOK。白米1合に対して大さじ1杯が適量で、おかゆや雑炊にもぴったりです
ロハスなはなし 第11回 お米の話 -ルーツ篇-
▲赤米も、混ぜる量はお米全体の1〜2割程度で。塩を少々加え、水に1時間以上つけると、より美味しくなります
第11回 お米の話 -ルーツ篇-
2007/2/9
 
 

1.野生のお米
 古代の人々は、野生のお米を探しては、それを集めて食べていました。当時のお米は、今でいう黒米、赤米です。そのお米の種を集めて効率的に栽培をしようと試みた人がいたことにより、稲作が始まったといわれています。その昔、お米はたいへん貴重なものでしたから、神様への奉納品として、あるいはお祝いのときに食するものとして重宝されました。日本で、今もなお赤飯をお祝いのときに食べる慣習があるのも、その当時の名残といえるでしょう。
2.日本での稲作の始まり
 日本にお米が最初に上陸した地域は九州北部で、稲は、当初畑で作られていたのではないかといわれています。2005年に、中国の長江で約1万年前の土器と共に大量のもみ殻が発見され、これが出土した最古の栽培稲です。その後、縄文時代後期になってから水田の技術が日本に伝来し、水田での稲作が始まります。お米は保存が利くうえ、日本の風土に合う農作物ということも手伝って、日本中に稲作が広まるまでにそう時間はかかりませんでした。
 稲の栽培に適した地域には、人々が集まり集落ができ、稲作を中心に農作物だけではなく、地域の社会と文化も発展していったのです。
3.昔のお米と今のお米
 お米のルーツはいくつかあるといわれています。まず、今から約1万年前の中国で、揚子江下流地域を中心とした地域が起源とされる説があります。また、もう一説には、東南アジアからインドネシアで稲栽培が始まり、その後、西は現在のイラン、スペイン、ポルトガル、東はスマトラ、ジャワ経由で中国へ、その後に日本へ伝わったとされています。
 古代米の一つ、赤米は縄文時代に日本に伝来しました。鮮やかな赤い籾が印象的な赤米は、見た目の派手さとは違うやさしい味で、抗酸化成分のプロアントシアニジンを含んでいます。一方、黒米は表皮にポリフェノールが多く含まれ、中国では薬膳料理などにも使われています。その真っ黒な風貌から、おはぎの原型ともいわれています。また、ビタミンB群も多く、白米に比べると栄養価がとても高い食品です。
 古代の人々はお米を殻付きのまま炒ったり煮たり、また蒸して殻をやわらかくして食べていました。また、お米だけで食べずに、何種類かの穀物をまぜたり、芋などと一緒にゆでるなどして工夫して食べていたようです。弥生時代になり、稲作が盛んになるにつれて、食べるお米の割合が穀物や芋よりも次第に増えていきます。そして時代の変化に合わせるようにさまざまな種類のお米が作られていく中、日本人の味覚にあった白米が栽培の主流となっていったのです。
 そもそも日本人が白米を食べるようになったのは、平安時代に入ってからと伝えられていますが、当時はまだ貴族の口に入るだけの貴重なものでした。その後、一般の人々が白米を食べられるようになったのは江戸時代になってからのことです。また、現代の真っ白な白米は、精米技術の進歩によってです。それまで一般の人々は、玄米を食べるほか、米や麦にアワやヒエなど五穀をまぜて炊くのが主流でした。今日の私たちが真っ白に精米して食べるごはんの食べ方は、実はとても新しい食べ方というわけです。

古代米は栄養が豊富!
黒米VS赤米VS白米の成分比較
分 類 カルシウム
(mg%)
マグネシウム
(mg%)
カリウム
(mg%)
リン
(mg%)
マンガン
(mg%)

(μg%)
亜鉛
(μg%)

(μg%)
黒 米 15 126 265 320 2.92 1.65 1705 507
赤 米 7 124 240 336 2.24 2.14 1949 491
精白米 6 33 110 140 0 0.5 1500 220
現物(水分15.5%)100g中の成分値
※黒米・赤米は玄米 /分析:花泉町農業開発センター

※資料: ●社団法人米穀機構 米ネット
  ●お米の学習(玉川学園マルチメディアセンター)
 
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