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ロハスなはなし 第4回 循環型農業
ロハスなはなし 第3回 開放的な動物園
▲能登半島・白米(しろよね)の千枚田
小さな鱗片状の棚田が階段状になって日本海の波打ち際まで達している。
ロハスなはなし 第3回 開放的な動物園
▲稔りの収穫時期を迎えた、黄金色の棚田。
ロハスなはなし 第3回 開放的な動物園
▲千葉県鴨川市にある大山千枚田。
東京から一番近い百選の棚田として知られ、週末になると、その景観の美しさにひかれて多くのカメラマンや画家たちが集まる。
第4回 循環型農業
2006/07/10
 
 

 山あいの傾斜地を切り開き、石を積み重ねて土を盛り、谷の水を引いて作られた「棚田」。小さなものまで数えれば千枚にも達するところから「千枚田」とも言われ、一枚一枚の田んぼの水に映る美しい月は「田毎の月」とも呼ばれて、その風景はふるさとの原風景として、日本人の心の中に刻まれてきました。
 棚田の面積は、全国約900市町村・約20万ヘクタールにも及びます。棚田は米を作ってきただけではありません。石垣は崩れやすい山を支え、田んぼは洪水を防ぎ、虫や小さな生き物の住みかとなり、「生態系保全」の役割も担っています。「循環型農業」という考え方があります。耕す人間がいて、耕地には作物があり、耕地以外にも草々があり、そして家畜もいる。農村という「器」のなかで営まれる農耕を成り立たせる各要素がそれ自身循環し、また要素同士が互いに影響しあい、循環の輪をつくっている。それが農耕集落というもの。棚田は「循環型農業」の象徴とも言えるでしょう。
 その棚田が今危機に瀕しています。山村の過疎化、農業の担い手の高齢化、後継者難などの中で、効率の悪い棚田は、真っ先に減反の対象となりました。全国の水田面積の1割を占めるといわれる棚田のうちの12〜15%は、既に耕作放棄されているのではないか、という見方もあります。
 地球規模で環境問題が深刻化している現在、私たちは棚田の持つ多面的な役割を、もう一度見直す必要があるのではないでしょうか。「棚田」を守る活動が、日本の各地で少しずつ始まっています。都市の住民に棚田を耕してもらうとともに、山村の人びととの交流を目指す、棚田のオーナー制度もあります。
 では、実際に棚田のお米を食べた方はいらっしゃるでしょうか?とても美味しいです。米を作る生産の場として見れば効率が低いといわれますが、棚田の米が美味しく上質米であることは根拠があり、一般的には
■平坦地の水田に比べ昼夜の温度差が大きいため、稲がゆっくりと熟すること
■水源に近いため、水の中に微量元素を多く含み、また汚れが少ないこと
■大型の機械(コンバインなど)が使用できないため、ハサ掛け(天日乾燥)にすることが多く、程良く乾燥すること
などが理由とされています。
<参考サイト>
NPO法人 棚田ネットワーク http://www.tanada.or.jp/
全国棚田オーナー制度 http://www.inakajin.or.jp/tanada/tanada.html

 
   
 
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