グリーンレポート
特集:印刷業界における、環境配慮への取り組み<パート1>

-印刷業界における、環境配慮への取り組み<パート1>- 2/3

2.グリーン購入
 製品の購入やサービスを利用する際に、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入・利用するグリーン購入は、消費生活など購入者自身の活動を環境にやさしいものにするだけでなく、供給側の企業に環境負荷の少ない製品の開発を促すことで、経済活動全体を変えていく可能性を持っています。
 国や地方公共団体などの機関や国民にグリーン購入を義務づける「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)」に基づき、自主的にグリーン購入を促しているのが、グリーン購入ネットワーク(GPN)という団体です。会員数2,860団体(企業2,261、行政317、民間団体282)を数え、全国規模のネットワークを誇ります(2006年1月12日現在)。
 印刷業界に主に関わってくるのが、同団体が定めた「グリーン購入ネットワーク・印刷・情報用紙購入ガイドライン」。このガイドラインには、印刷用紙(非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、特殊印刷用紙)、および情報用紙(PPC用紙、フォーム用紙、インクジェット用紙、複写用紙、感熱紙、ジアゾ感光紙など)を購入する際に環境面で考慮すべき重要な観点をリストアップし、用途に応じてできるだけ環境への負荷の少ない製品を購入するように記載されています。昨年10月には、これまでの「製紙原料」と「白色度」に関するガイドライン項目の一部に変更がありました(「ガイドラインの新旧対応表」参照)。私たちには新ガイドラインに従い、用途に応じて紙を使い分けることが求められていると言えるでしょう。
 GPNには、グリーン購入の実践に取り組む意志のある企業であれば入会が可能で、GPN理事会での入会審査を経て、会員になることができます。入会金は不要で、毎年1万円の会費を支払います(企業規模により異なります)。会員になると、ニュースレターなどの情報が送付される他、GPNシンボルマークやGPN印刷サービス・シンボルマークを使用することができます。シンボルマークを使用するには、印刷物を発行する企業などが会員になることが必要です。シンボルマークを印刷物に表示することにより、グリーン購入に取り組んでいることを一般消費者に広くアピールすることができることを顧客に説明し、会員になっていただくことを提案してはいかがでしょうか。

グリーン購入ネットワーク
http://www.gpn.jp/

3.ISO9000とISO14001
 ISOは世界の約130ヵ国が参加しており、このISO事務局から、各種のISO規格が発行されています。このうち、有名なのが、品質マネジメントシステムに関するISO9000と、環境マネジメントシステムに関するISO14000です。
 ISO14001とは、製品・サービスなどについて、環境に与える負荷を継続的に低減、防止していくための仕組みを企業の中に構築するためのマネジメントシステム。環境に関する企業の方針を決め、実行するというものです。例えば、廃棄物の排出量の削減を環境目標に設定し、排出量を1年以内に10%削減するなど具体的にして、実施していくことが求められます。財団法人日本適合性認定協会(JBA)により認められた民間の審査登録機関による認証・審査登録制度があり、ISO14001の要求項目をクリアしているかどうかチェックされ、適合していると認められれば登録証が発行されます(認定には、審査料などの費用がかかります。詳しくは、ホームページをご覧ください)。
 ISO14001は、環境対策といった本来の機能に加え、廃棄物の削減などによる企業イメージの向上など、企業により多くのメリットをもたらします。東京都などの自治体では入札条件の一つとなっていることもあり、ISO14001の認証取得が年々増加しています。
 
財団法人日本適合性認定協会
http://www.jab.or.jp/

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