グリーンレポート
特集:中部国際空港編「セントレアがもたらすもの」
-中部国際空港編「セントレアがもたらすもの」- 1/4

1.セントレアができた背景
 かつて中部地域の空の便を支えてきたのは、名古屋空港でした。周辺各県には、本格的な国際線が就航する空港が少なく、なかには民間定期便が発着する空港のない県もありました。そのため、名古屋空港に対する依存度は年々増え続け、1997年にはついに、名古屋空港の年間利用旅客数は1000万人を越えました。セントレアが着工された2000年には約1089万人でピークとなり、また、物流においても、増え続ける需要に応えられないという現実がありました。処理能力が限界に達し、これらの問題を解決するべく計画されたのがセントレアの建設でした。そのためセントレアでは、多くの旅客需要、貨物需要に応えるために十分な敷地や機能が整備されることになりました。

2.セントレアの特長
日本で一番新しい国際空港であるセントレアには、多くの特長があります。本題へ入る前に、セントレアの特長を簡単にご説明します。

(1)長い滑走路を持つ海上空港
海上空港とすることで、市街地への航空機の騒音を低減しています。また、3,500mの長い滑走路を確保したことで、アメリカ東海岸や南ヨーロッパなどの遠い都市へも直接飛ぶことが可能になりました。

(2)24時間運用
出発地や到着地の便利な時間に発着でき、旅客便も貨物便もより効率的に運航できるようになりました。

(3)バリアフリー・ユニバーサルデザイン
ターミナルビル内は極力段差をなくしたバリアフリー設計。マルチアクセスターミナルでは、2階と3階をスロープでつないでいます。空港駅到着から出発ゲートまで、階段やエレベーターなどで上下移動することなく、搭乗が可能です。

(4)マルチアクセスターミナル
ターミナルビル東側に、マルチアクセスターミナルを設置。鉄道駅やバス乗降車場、フェリー乗り場、駐車場との連絡口をすべて集約。ターミナルビルやホテルへの便利なアクセスを実現しています。

(5)インラインシステム
チェックイン事に手荷物検査なしで手荷物を預かり、コンテナ搭載の段階で保安係員が検査するシステム。これにより、乗客は搭乗までの間の時間を有意義に過ごすことができるようになりました。

これらの特長がどのような効果をもたらしているのか、「モノの流れ」と「ヒトの流れ」、大きく二つに分けて見てみることにしましょう。


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