グリーンレポート
特集: 宅配便の現状編<第2回>
-特集:宅配便の現状編<第2回>- 3/3

4.<TOPICS>ゴミを出さない引越し
 日本通運では、“ゴミをまったく出さない”引越しサービスを始めています。梱包には独自で開発した再利用できる資材を用い、基本的に引越し後ゴミとなる段ボールやビニールテープを使用しないというものです。
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 このサービスでは、引越し前の荷物の梱包から新居での設置、食器等の収納にいたるまで一貫して日通の担当者が行います。「料金が割高になるのでは?」という不安もありますが、包装資材を工夫したことで作業時間を大幅に短縮できるようになり、梱包の人件費を削減することに成功。段ボール箱などの費用負担もないため、ユーザーの負担も少なくてすみます。
 現在は移動距離が50km以下に限定されていますが、今後は距離を150km程度まで延ばし、販売拡大を目指しています。

5. 宅配便の現状<第2回>まとめ
 以上、拡大を続ける宅配便市場における業界内部の動向を見てきました。そこには、郵政民営化問題が絡み、海外企業をも巻き込んで市場全体が大きく変わりつつあるという状況のなかで、各社さまざまな新サービスを開発し、し烈な顧客獲得競争を繰り広げている現状が見てとれます。そして今後の新サービス開発においては、前回のグリーンレポート「宅配便の現状編<第1回>」でお伝えした「使用済み伝票のリサイクル」や今回お伝えした「ゴミを出さない引越し」など、「環境」と「個人情報保護」が重要なキーワードになっていきそうな気配です。
 われわれ印刷会社にとっても重要なパートナーである宅配便。2004年12月にはメール便の未配達事件が発覚したり、配達時間の遅れや荷物の破損といった苦情がいまだに多く聞かれるなど、改善していかなければならない課題・問題もまだまだ残されています。
 さて次回のグリーンレポートは、今回も少し触れた海外の宅配便業者にスポットを当て、その動向と日本企業との比較について探っていきたいと思います。

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