グリーンレポート
特集:無線ICタグ(RFIDタグ)の現状と今後<第1回>
-無線ICタグ(RFIDタグ)の現状と今後<第1回>- 3/6

3.現在の使われ方、今後の使われ方<NO.1>

 ICタグは、私たちの身近なものにもすでに利用されています。そのなかでも、私たちの生活に馴染みの深いいくつかの事例を紹介します。
1.「Suica」
 現在、利用者数が800万人を突破したIC乗車カード「Suica」。2004年3月からは「駅ナカ」の小売店で、4月からはキヨスクでも試験的に3店舗で電子マネーを利用した「Suicaによるショッピングサービス」を開始しています。
 これまでキヨスクでは、短時間で商品と釣り銭を渡さねばならないという性格上、大半の店にレジすら無く、受発注も手作業という状況でした。しかし電子マネーを導入すれば、作業時間・効率を落とすことなくPOS化を進めることができ、売上高管理や発注業務が電子化され無駄とミスを減らすことができます。また本業である鉄道事業の方でも、切符回収の手間が減ったり、切符発券による用紙代も削減できたりとメリットをもたらしています。2006年度には地下鉄やバス会社などとの相互利用も実施される予定で、利便性がさらに向上していくものと思われます。
 この他にもSuicaは、品川駅の駅ビルに入居しているオフィスで入館証として利用されるなど、改札を抜けた後でも活用され始めており、今後の使われ方にますます注目が集まっています。
 (「Suica」についての詳しい情報は、http://www.jreast.co.jp/suica/参照)


Suica

2.百貨店
 百貨店業界でもICタグの実用化に向けた取り組みが始まっています。三越は三陽商会と、伊勢丹はオンワード樫山と組み、スーツやコートなど服飾雑貨での実験をしました。これは、縫製工場でICタグを添付した商品を、物流倉庫を経由させて百貨店に出荷し、検品や棚卸、在庫・販売管理、返品などの作業量を調べるというものです。
 その結果、機械操作に不慣れだったにもかかわらず、作業量は従来に比べほぼ半減しました。
 これを受け、アパレル業界では実用化に向けた動きが加速し、百貨店業界では今後アパレル以外での実験なども予定しています。


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