-動き出した「平成の市町村大合併」<前編>- 2/5
今、市町村合併が求められる理由、政府がそれを推進する理由を考えると、次のようなことがあげられます。
●地方分権の推進
これまでは国と地方が上下・主従の関係にあり、行政責任がどこにあるかも不明確でした。地方分権は、住民に身近な行政の権限をできる限り地方自治体に移し、地域の創意工夫による行政運営を推進できるようにするための取り組みといえます。
●少子高齢化への対応
各地域で高齢化が進み、福祉サービスが大きな課題となっています。小さな自治体では介護保険ひとつで行き詰まっており、一定規模でのマンパワーの確保が不可欠とされています。
●多様化する住民ニーズへの対応
住民の価値観の多様化、技術革新の進展などにともない、住民が求めるサービスも多様化し、高度化しています。これに対応するため、専門的・高度な能力を有する職員の育成・確保が求められています。
●生活圏の広域化 への対応
情報インフラの整備、交通網の発達などにより日常の生活圏が拡大し、ボーダーレスの状況を生んでいます。古い行政上の区域とは大きなズレがあり、行政上も日常の生活上もこのズレの解消が必要になっています。また、都市近郊では市町村エリアを越えて市街地が連続しており、より広い観点からのまちづくりも求められています。
●効率性の向上
危機的な財政状況にあるなか、より効率的な行政運営が求められています。合併は、行政サービスを損なうことなく経費を削減し、財源を生み出す手法といえます。とくに、隣接市町村での類似した施設建設には批判があります。
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