グリーンレポート
特集:流通小売業講座<最終回>
-流通小売業講座<最終回>- 4/6

4.既存ホテルのさまざまな取り組み

 外資系ホテルをはじめとする開業ラッシュが始まり、競争が激化するなか、個性的な料金体系で顧客のニーズを取り込もうとする動きも見られます。
 高輪プリンスホテルでは、2003年春から、シングルルームを1人6万円で合計50時間利用できるプランを売り出しました。10時間ずつ5泊するなど自由にアレンジできるのが売りです。品川プリンスホテルは5〜7時間滞在できる「タイムシェア(時間貸し)プラン」を導入。時間が短いので、通常料金の3分の1程度と割安の料金です。東京全日空ホテルでも、24時間いつでもチェックインが可能で5時間から客室を利用できる「ショートステイプラン」を設定しました。
 女性向けのレディースプランの人気が高まっているなか、京王プラザホテルでは、2004年3月末まで男性のためのシングル宿泊プラン「俺の時間」を販売しています。ホテルのフィットネスジムや客室の高速インターネットの利用料が無料。新たな需要開拓につながるのでは、と期待されています。
 厚生労働省の外郭団体、雇用・能力開発機構から小田原市へ売却された「スパウザ小田原」は世界有数のホテルチェーンであるヒルトン・インターナショナル社に運営を委託。ヒルトンのブランド力と健康に配慮した食事や運動プログラムを提供する新サービスで全国からの幅広い集客を期待しています。
 ペットブームを反映して、各地でペットと泊まれるホテルやペンションが広がっています。滞在中にできるだけペットといっしょに過ごせるように、ロビーや食堂などにもペットの立ち入りOKという宿が増えています。温泉観光地では、ペット専用温泉やペットと入れる温泉を設ける宿もあり、愛犬家・愛猫家向けに売り込みをはかっています。
 また、椿山荘やホテルニューオオタニなどの都心のホテルの庭園でホタルを飼育する動きが広がっています。「自然環境のバロメーター」といわれるホタルが生息する庭園を通じて、自然保護への取り組み姿勢をアピールするのがねらいです。
 このほかにも既存ホテルでは集客力を上げるため、料金プランの見直しを行ったり、夜景を売り物にした宿泊プランを販売するなど、さまざまな対応策を打ち出しています。


ペット


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