グリーンレポート
特集:流通小売業講座<前編>
-流通小売業講座<前編>- 8/8

8.流通業界の再編・異業種との提携<NO.2>

 また、流通小売業界内での合併・提携にとどまらず、他業種との業務提携の動きも活発化しています。新たな集客策として、また事業内容の広がりとして、今後の展開が注目です。
 ローソンは北陸銀行(富山市)と提携し、7月から富山県内のローソン88店舗で北陸銀の個人向けローンなどの取り次ぎサービスを始めました。富山市内1店と東京・日本橋の東京支店に、大手チェーンでは初の共同店舗を出店。今後、他の地銀、信金にも提携を呼びかけていくことにしています。新たなサービスは、自動車ローンのほか外貨やトラベラーズチェックの取り次ぎなど。ローソンの店頭端末で申し込むと、北陸銀行が申込書や外貨などを利用者に宅配する方式です。公共料金振替の申し込みや住所変更も24時間利用できることになります。
 共同店舗は、コンビニエンスストアにとって好条件の用地確保が難しくなっていることが背景にあります。ローソンは、立地条件のよい銀行に店舗を展開することで、集客につなげる狙いです。
 ファミリーマートは、工場やオフィスビル、ビジネスホテルなどへの出店を加速しています。不特定多数の客を待つより、従業員や宿泊客などの確実な利用が見込めるという狙いです。
 エーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)は、宅配物預かりロッカー最大手のフルタイムシステムと提携し、不在時に届いた郵便・宅配物をam/pm店舗に転送するサービスを、東京、横浜市の3店で始めました。利用者はam/pmを配達場所に指定でき、ネットオークションの購入物受け取りなどで自宅の住所を公表せずに済みます。料金は1回利用ごとに100円で、会費は月額100円。今後、全国的にサービスを展開させることとなると、新たな帳票・伝票を作成することになると思われます。


am/pmフルタイムボックスサービス会員入会申込書

 合併で新しい会社が誕生することにより、新会社用の印刷・帳票需要が生まれます。また、業務提携による新規事業にも、印刷物や帳票類は欠かせません。ビジネスチャンスを逃さないためには情報収集を怠りなく。流通小売業界では今後も、大規模な再編が行われることは確実です。
 次回は、流通小売業界などで発行されている様々なカードとその帳票についてレポートします。ポイントカードから最新のICタグやICチップ入りカードまで。また、カードを利用しての販売戦略などについても見ていきます。


戻る  


このページのトップ