グリーンレポート
特集:銀行・保険・証券。ますます活性化する規制緩和。帳票需要はどうなる?
-ますます活性化する規制緩和。帳票需要はどうなる?- 1/8

金融業界のめまぐるしい再編

 この3月、大和銀行とあさひ銀行が合併・再編され、りそな銀行(大阪市)、埼玉りそな銀行(さいたま市)として新たにスタートしました。一連の4大銀行グループの再編とは一線を画し、地方大型銀行として独自路線をあゆもうとしているようです。
 この「りそなホールディングス」の動きにより、銀行再編の大きな波は一段落した感もありますが、ここへきて目立つのが保険業界の再編です。
 生命保険では、業界4位の明治生命保険と同6位の安田生命保険が、2004年4月をめどに合併を目指しています。明治生命は三菱グループ、安田生命はみずほフィナンシャルグループに属しており、系列を越えた大型再編となります。背景には、生保のあいつぐ破たんによる「生保不信」→「契約解約」の増加がありました。再編によって地道な「守りの経営」から、規模拡大を目指して「攻めの経営」に転じようというわけです。そのためには、系列という枠組みを越えることもいとわない、ということでしょう。大手生保の再編はこれを機に一段と加速すると見られています。
 損保業界に目を転じますと、こちらは生保よりも先行して再編が行われています。1998年の保険料の自由化をきっかけに、各社が新商品開発やサービス拡充に動くとともに、シェア拡大に向け2001年以降相次いで大手損保の統合がなされました。また、ここにきて損保市場は頭打ちの状況になりつつあり、販売網獲得の効率化をめざし新たな再編を模索しています。その好例が、東京海上と、中堅損保である日新火災の業務提携です。東京海上側は中小企業や個人向け販売を強化でき、日新火災からみても信用力が高まり、生保分野などの強化も期待できるなど、どちらにもメリットが生まれるというわけです。いずれにしても大手損保間の競走はさらに強まり、再編の動きも続くとみられます。生損保の再編加速、競争激化は、帳票・印刷需要の底上げに貢献することが予想され、私たちも最新の動きを知っておきたいところです。


銀行グループと生保・損保の関係


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