グリーンレポート
特集:ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望(その2)

-ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望(その2)- 6/6
成長が期待される商品

5.簡易型のカード
 世の中はカード時代というように、銀行のキャッシュカード、クレジットカードから始まって、必ず何枚かのカードを持っているのが普通になったが、単純な会員カードなども、クレジットカードの形になっているものが多い。JIS規格の0.76ミリの厚さでも実際にはエンボスを含めると1ミリ程度になってしまうことで、カード入れはすぐふくれあがってしまう。磁気データやエンボスが不要のカードではこの厚みは必要なく、薄手のカードで用が足りる。ユポやPETなどの0.2~0.3ミリ程度の厚さのカードが多く使われるようになった。
 ANAのマイレージカードや医療チェーンの診察券、JAFの会員証などで多く使われるようになっているが、このカードの特徴は、台紙に貼り付けたままカードと台紙が同時に印字できることで、カードに起こりがちな宛名とカード内容のミスマッチングは発生しない。磁気も可能だが、バーコードを使うことでコストも安く利用できる。
 またこの変形で、表面台紙の裏面からラミネートフィルムを貼って、表から抜きをかけるタイプの紙カードが多く使われるようになった。前記のものよりも価格が安いために、大きく伸び始めている。反転して両面ラミネートができるタイプとか筆記適性を持って後から追記できるものとか多種類のものが開発されている。
 現在、動き始めている国民健康保険証カードもこの商品の一つである。2000年に発表された健康保険証の個人カード化は着々と進んでいる。全国民が対象で従来の1世帯1枚から1人1枚への移行で、将来はICカード化と言われているが、インフラ整備もあって目下のところ大半は簡易型カードの仕様である。このピークは2002年春から2003年にかけてで、全国の市町村や健康保険組合、共済組合なども動くので大きな商戦になるが、地方分散の形になるので大手には不利でローカルにもチャンスがある。


ANAマイレージカード

国民健康保険証カード


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