グリーンレポート
特集:ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望(その2)

-ビジネスフォーム業界の現状と今後の展望(その2)- 5/6
成長が期待される商品

4.プライバシーを守る商品
 圧着はがきも元はといえば人に見られずに出せるという、プライバシーが守れるハガキというところからスタートした商品である。30円の郵送料差額+封筒代+中身の制作費+封かん封入代の合計額と、圧着はがきの制作費用(印刷代)を比較すれば、当然圧着ハガキのほうが安くなる。
 DPS事業を進めるにあたって、プライバシーマークが必要とされるように、個人データを扱う場所では「すべての個人データは保護されなければならない」というのが鉄則である。日本ではとかくその部分がなおざりにされてきたことが反省されて、急激に改善されようとしている。
 個人データとしては、氏名・生年月日・住所・電話番号・趣味・学歴・病歴・収入・購読新聞名等々、個人的なデータはすべて該当するものとして考え、そのデータが第三者に漏洩しないようにしなければならない。印字データがコピーされて持ち出されるなどというのは論外としても、日常扱っている用紙の流れについてもチェックの必要がある。
 ユーザーが金融機関に対する継続的な支払方法を依頼する口座振替依頼書を見てみよう。従来は返信用封筒に記入用紙を入れて返送するようになっていた。最近は郵送料の節約のため、返信用にハガキを使用するようになったが、ハガキでは記入事項が丸見えになってしまい、プライバシーが守れないために、新たなカバーラベルが考えられた。
 ハガキの「記入部分を隠す大きさのラベル」をハガキ本体と一緒に届ける。顧客は必要事項を記入した後でそのラベルを必要部分に貼ってデータ部分が見えないようにしてから投函する。市町村役場、クレジットカード、銀行、証券、保険、電気、ガス、電話など各種の手数料や料金を経常的に支払う口座振替制度を扱う場所では必ずハガキを使用するようになってきた。ハガキを使う所で人目に触れたくないものには必ず、この種のラベルが必要になって来る。
 従来この種のラベルはシール印刷業の商品であったが、ハガキがフォーム印刷製品になり、ユーザーが使いやすい形でラベルを添付するようになってくると、フォーム印刷のシステムで作成しないと使えない商品となってくる。剥がした後から捺印できるような材料とか、一度剥がしたら二度と接着しない材料、張り損なったら張り替えられる材料、剥がしても追加記入のできないものとか幾種類かの選択肢がある。最近では大口の金融機関などではこのラベルを剥がす機械まで要求されるようになった。
 この他にも、個人情報を隠す必要のあるものには、銀行口座などの暗証番号シール、生命保険の告知書などにもこの種のラベルが使われ始めている。


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