グリーンレポート
特集:帳票需要にプラス要因となる・・・金融業界の最新動向を探る
-金融業界の最新動向を探る- 4/5
三兆円市場に向けて新商品ラッシュ・・・

 銀行から保険業界に目を転じてみると、ここにも大きなトピックスが生まれています。「保険の第三分野」の全面解禁です。
 保険では養老保険や終身保険などの生命保険を第一分野、自動車保険、火災保険などの損害保険を第二分野と呼んでおり、そのいずれにも属さない中間的な分野である傷害保険、ガン保険、単品の医療保険、介護保険などを第三分野と呼んでいます。この第三分野の保険は、外資系保険会社が積極的に開拓した分野だということもあって、日米保険協議で全面解禁が2001年にずれ込んでいました。
 その制約の期限が一昨年末で切れたため、昨年(2001年)1月1日より日本の大手生命保険会社、7月より大手損害保険会社の参入が自由化されました。これを受けて1月より大手生命保険各社は、独自であるいは外資系保険会社の商品供給を受けて保険の第三分野商品の販売を開始。また、大手損害保険会社は生命保険子会社を通じて同様の商品を1月より販売開始、そして大手損害保険会社の参入が全面解禁となった7月からは独自で販売を開始しました。
保険商品の分類  この保険の第三分野の推定市場規模は「医療保険」、「ガン保険」に「傷害保険」を合わせると約3兆円にのぼるとみられています。日本の生命保険・損害保険各社はこの市場の切り崩しを狙うため、さまざまな商品を開発しています。
 この保険各社は解約時の払戻金を低く抑え月々の保険料を安価にした商品、無事故給付金を支給するタイプを設けた商品など、各社とも品揃えは充実してきています。損害保険各社は企業従業員向けに保険契約を取りまとめている代理店を通じて、団体保険として売り込みをかけています。団体保険は多数の加入者が見込めるなど規模の利点が働きやすいことから、保険料の割り引きが最大5割におよぶ低価格商品も開発しているほどです。
 さらにこれに対抗すべく外資系生命保険会社も次々と新商品を開発し、市場に投入してきています。例えば「ガン保険」最大手のアメリカンファミリー保険(アフラック)は10年ぶりに商品内容を大幅に拡充するなど、保険業界では商品販売ラッシュが起きており、当面続くように思われます。
 これら保険業界の新商品ラッシュは、新たな帳票を発生させたことはもとより、カタログ、パンフレットなど印刷物の需要を大きく喚起しています。保険業界は、これまで以上に有望な市場となってきたといえましょう。


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