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-金融業界の最新動向を探る- 3/5
銀行と生損保との関係で最近の大きなトピックスといえば「銀行窓販」があります。これも帳票を中心とした印刷物の需要に少なからず影響を及ぼしています。
保険商品の銀行窓口での販売は、2001年4月に解禁されました。その販売対象は住宅ローンを借りる際に加入する長期火災保険、住宅ローンの債務返済支援保険、海外旅行傷害保険の三つの損害保険商品と、住宅ローンの返済に保険金を充てる信用生命保険になっていました。しかも、信用生命保険については、生保業界の反対が強く、扱えるのは銀行の生保子会社か同じ特殊会社傘下の生保からと限定されていました。
それが金融庁により2002年度中に銀行窓口での生命保険商品販売の規制が緩和されることが発表されました。それによると、個人年金保険を販売の対象に加えるほか、銀行の生保子会社などに限定されている商品調達面での規制も撤廃されます。具体的には、あらかじめ受け取る年金額が決まっている定額個人年金、運用成果を年金額に反映する変額年金保険などが窓販の対象となる見込みです。
この保険の銀行窓販は昨年4月にスタートしたばかりですが、早くも売れ行きの好調さを示しています。四大銀行グループの損害保険商品の販売件数は、4月からの半年間で3万件に達しています。取り扱いが最も多い長期火災保険は各グループとも4000〜10,000件程度を販売。銀行で住宅ローンを申し込んだ顧客の4割程度を獲得しています。保険商品は、投資信託などに比べて販売手数料が高く、各銀行とも新たな収益源に育てようとしているようです。今後、住宅金融公庫が廃止されれば、銀行の住宅ローンの取扱数はさらに増える見込みで、銀行の主力商品になる可能性があるとみられています。
このように銀行窓販は、帳票やパンフレット類の需要を一時的に増大させるのではなく、持続性のある需要に結びつくと考えることができます。
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