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伸びる通販市場と印刷媒体の展望
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
伸びる通販市場と印刷媒体の展望 2011/1/11
1.通販市場の今
 ●拡大を続ける通販市場
 ●通販業界もクロスメディア化の時代へ

2.問われる印刷メディアの実力
 ●ネット通販の台頭
 ●紙メディアの今後

3.印刷業界の可能性を探る
 ●多角的に広がる印刷需要
 ●通販活性化による印刷会社のビジネスチャンスとは

1.通販市場の今
●拡大を続ける通販市場
 日本通信販売協会(JADMA)の調査による2009年度の通販市場全体の推定売上高は、4兆3,100億円(前年度比4.1%増)となり、同協会調査開始以来最高額を記録。不安定な経済の波をものともせず、1999年以来11年連続のプラス成長となりました。この数字は、かつてはニッチな販売チャネルというイメージだった通販が、一般的なショッピングスタイルとして定着したことを表しています。
 近年の通販市場拡大の背景には、インターネットの普及による利便性向上と商品数の飛躍的な増加はもちろんのこと、「通販限定商品」の存在や非対面販売ならではの買いやすさ、価格比較やユーザーズボイスなどの情報の充実、さらには通信販売における最大の障壁となっていた返品や交換などにも手厚いサービスで対応する通販会社の増加や、消費者保護のルール整備が進んだことにあります。
 ファッション、コスメ、本、雑貨、食品、家具、家電をはじめ、自動車やペット、さらには不動産までもが商品として取り扱われるなど、今や「通販で買えないものはない時代」といっても過言ではありません。
●ダミーダミーダミーダミー
●ダミーダミーダミーダミー   通販業界のコンプライアンス向上のための「通販エキスパート検定」も実施されるなど、業界ぐるみで健全な発展を目指した取り組みも進行。一般社団法人 通販エキスパート協会のホームページ
●通販業界もクロスメディア化の時代へ
 近年の通販市場で加速しているのが、カタログや折り込みチラシなどの印刷メディア、ラジオ・テレビショッピングなどの電波メディア、そしてPCやモバイルなどによるインターネットメディアなど、複数のメディアを連動させることで顧客とのコンタクトポイント拡大を狙うクロスメディア戦略です。クロスメディア化は、通販という非対面型ビジネスの抱える課題である「安定的な新規顧客獲得の実現」を目指すもので、通販各社はさまざまな展開を試みています。
 クロスメディア展開例として、これまでにはテレビと新聞の連動がありました。テレビCMで「明日の朝刊をご覧ください」と告知することで、折り込みチラシなどを通じて高いレスポンスを生み出していましたが、テレビ離れ、新聞離れが加速する現在では、以前ほどの訴求効果が得られなくなってきています。
 長い期間カタログメディアに親しんできた通販業界にとって、急速なクロスメディア化への対応はまさしく試行錯誤の連続ですが、その取り組みはますます加速していくはずです。
2.問われる印刷メディアの実力
●ネット通販の台頭
 現在の通販市場を牽引するのがネット通販です。カタログ通販などの印刷メディアとは異なり、スペースにとらわれない豊富な情報量、トレンドを素早く反映できる即時性、さらに発注から配送まで迅速に対応できるというユーザーメリットを生み出しています。また、ユーザーだけでなく通販会社にとってもコストメリットという恩恵があります。
 カタログ通販と比較してみると、カタログ請求に対応するコールセンターの維持・管理費やカタログの製作費・管理費・配送費など、1人の見込み客へアプローチするまでに非常に大きなコストがかかりますが、ウェブサイトに一元化することで、デジタルカタログやホームページ上での商品掲載によるコスト削減、登録会員のリスト化やデータベース化の効率化など、多くのメリットを享受できます。
 しかし、ネット通販を強化していく上では、個人情報の漏えいや不正プログラムの侵入など、さまざまなリスクもあります。とはいえ、現在の通販ビジネスは、もはやネット通販を無視して語ることはできないというところにまできているのです。
●ダミーダミーダミーダミー
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●紙メディアの今後
 ネット通販全盛の時代とはいえ、従来の印刷媒体のカタログが完全に不要となっているわけではありません。千趣会の行持裕弘社長は2010年12月に行われた読売新聞の取材に対し、「紙のカタログはなくせない」と強調。同社はネット通販を強化する一方で、「中高年にはカタログで商品を選びたいという人が多い」とコメントしています。また、紙のカタログによる顧客は購入単価も高く、収益の柱であることに変わりないという見解を示しています。
 PCやモバイルに対する苦手意識が強い中高年層にとって、一覧性に優れ、リビングでも寝室でも、どこでも見られるのは紙メディアであり、繰り返して見られることは大きな魅力です。
 紙のカタログに掲載できる情報は有限です。しかし、有限であるからこそカタログ全体の内容が把握しやすく、読者の興味を維持させることができます。ウェブサイトは、膨大な情報すべてに目を通すことが困難です。ネット通販は目的の商品だけを検索・購入することが多いのに対し、紙のカタログは冊子全体をじっくりと目を通すことができ、「衝動買い」「発見買い」を誘うことができます。
 こうしたことから、ネット通販全盛の現代においても、紙のカタログは不可欠なメディアだといえるのではないでしょうか。ウェブサイトで募った会員に紙のカタログを送付し、見込み客から実績客、そして優良顧客になり得る過程で、紙のカタログが果たす役割は大きいといえます。
3.印刷業界の可能性を探る
●多角的に広がる印刷需要
 急速にクロスメディア化が進む現在の通販市場において、通販各社はさらなる顧客とのコンタクトポイント創出を目指し、さまざまな動きを展開しています。
 通販大手ニッセンやオフィス用品通販のカウネットは、iPad向けにカタログアプリケーションの無料配信を実施。千趣会は、PSコミュニケーションズが提供する「ほっと電報」に、自社のカタログギフト「MUSUBI」を組み合わせた「DENPO de GIFT」の提供を開始。さらに、「ゆったりサイズの服」を取り扱う新カタログ「la*fite」をネットと連動させて展開し、「大きいサイズで着る服がない」という女性たちから支持を獲得。フェリシモは、2010年10月、同社のファッションカタログ「iedit」と、集英社の女性向けコミック誌「コーラス」を合体させた新雑誌「コミログ」を発刊。同誌の漫画には、主人公がカタログ部分に掲載された洋服を着て登場するなどの新しい試みが見られます。
 このように、通販会社が新たな取り組みを行うことで、紙メディアそのものが今後も多角的に広がり、印刷需要も引き続き期待できます。
●ダミーダミーダミーダミー   電報とカタログギフトがセットになった「DENPO de GIFT」
●ダミーダミーダミーダミー   ●ダミーダミーダミーダミー
大きめサイズ服のカタログ「la*fite」   コミックと通販カタログが合体した「コミログ」
●通販活性化による印刷会社のビジネスチャンスとは
 通販である以上、そこには必ず「商品の発送」が必要となります。商品の発送には、伝票、納品書、封筒や梱包資材、販売店からのインフォメーションツールなど、実に多彩な印刷ツールが必要です。また、通販会社への会員登録するユーザーの増加により帳票類の需要も拡大。さらに、会員へのDM発送の際にもさまざまなメーリングフォームやビジネスフォーム、商品の在庫管理におけるラベル・タックフォームなど、通販市場の活性化に伴い多くの印刷需要が見込まれます。
 また、ネット通販はインターネット環境と簡単なホームページ作成ノウハウだけで新規参入ができるため、販売店側の営業規模や地域などに左右されない、いわば公正な競争が可能です。地方の小規模ショップやメーカーなどから全国的なヒット作が生まれる昨今、印刷会社にとっては、日本全国に有望な顧客が眠っている、とも考えることができるのではないでしょうか。
 世の中が激しく変化し続ける現在、印刷会社も一層アンテナの感度を高め、有望な市場の動きをつぶさに観察し、柔軟に対応していくことが求められています。
各地の取り組み例
●通販で町おこし
 島根県松江市の観光協会に所属する企業「玉造温泉まちづくり街デコ」は、地元の名湯「玉造温泉」の温泉水を使った化粧品を通信販売し、好調な売れ行きを見せています。同商品は積極的な広告展開はしていませんが、地元の観光協会との連携により、観光案内のフリーペーパーなどで商品を紹介。口コミで徐々に話題となりました。初期投資の少ない通販を活用した地方活性化策の好例として、今後の展開が注目されます。

●各地で地域活性化を狙った通販事業が進行
 埼玉県川口市では、地域活性化を目的として「川口B級グルメ大会」を2010年11月に開催。翌12月には、同大会の優勝作品である中華料理店「異味香(イ・ウィ・シャン)」の「煎人焼売(せんにんしゅーまい)」がネット通販されるなど、地域と店舗が連携した町おこし施策が進行しています。また、島根県邑南町では、全国から公募した食材から「田舎の逸品」を選び(料理愛好家の平野レミさんらが選考)ネット通販するサイトを運営。さらに同町の観光協会では、食材や料理の研究をする「食のラボラトリー」を新設し、プロデューサー役を担う職員を募集するなど、「食」と「通販」を活用した地域振興が全国的に活性化しています。
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