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次世代エネルギー「太陽光発電」の将来的展望と印刷需要<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
次世代エネルギー「太陽光発電」の
将来的展望と印刷需要<第1回>
2010/2/10
1.太陽光発電システムとは
2.太陽光発電の具体的なメリット
3.太陽光発電を取り巻く社会の動向
1.太陽光発電システムとは
 深刻な地球温暖化問題や、今世紀中ごろには直面するであろう石油などの資源の枯渇問題などを背景に、太陽光発電が注目されています。
 太陽光発電とは、太陽電池を利用して太陽エネルギーから電気を得る発電のことです。太陽電池にはセルと呼ばれる発電装置が何枚も内蔵され、セル本体に太陽光を当てると、直列回路で並んだセル同士が発電する仕組みになっています。セル1枚で発生する電圧は、0.5ボルトと非常に少ないのですが、何枚ものセルを直列につなぐことで一般家庭で利用できるまでに電圧を上げることができるようになります。現在、多くのセルの材料には、シリコン(ケイ素)の結晶が用いられていますが、その理由は、シリコンが半導体の役目を担えるからです。半導体は、電気を通す性質がある物質で、太陽電池においては、電子回路の材料として50年以上の歴史があり、効率的に電気を生み出せるという理由で活用されています。
●太陽光発電のしくみ
●ほぼ無限のエネルギーを生み出す太陽電池
 太陽光は、地表に到達するものだけで12万6,000テラワット(※)あるといわれ、太陽電池が生み出す電気はほぼ無限大といわれています。これは、仮にこのエネルギー量すべてを電力に変換できた場合、1時間の日射量で、地球上の人類すべてが1日に必要なエネルギーを補える計算となります。一方、太陽光パネルの製作に不可欠なシリコンについては、地球の地殻の28%はシリコンであり、日本においてもその埋蔵量は豊富です。しかし、純度の高いシリコンは工場で生産する必要があり、世界的な太陽光発電の普及に伴い高純度のシリコンの製造が追いつかない状況です。
(※)1テラワットは1兆ワット
2.太陽光発電の具体的なメリット
 太陽光発電によって私たちが享受するメリットはたくさんありますが、ここでは主に地球環境と生活者、それぞれの側面からのメリットを見ていくことにします。
 まず、地球環境から見た特筆すべき点は、なんといっても地球温暖化の原因ともいえるCO2がほぼゼロであることです。世界で排出されるCO2は2006年で273億トン(JCCCA<全国地球温暖化防止活動推進センター>調べ)ともいわれ、日本だけでも2007年度の調査で13億7,400万トン(環境省調べ)を排出しています。2020年までに温室効果ガス(CO2など) を25%減らすことを目標にしている政府は、太陽光発電を導入することで、CO2の排出量を大幅に削減できると期待しています。
 次に、生活者の側面から見た場合のメリットは、家庭で発電することによって金銭を得られることです。政府、地方自治体から補助金が得られることに加え、新たな売電制度によって、10年ほどで太陽光発電導入の初期費用の回収ができるといわれています。売電制度をうまく利用すれば、今後、余った電力を売って得られるお金が家計の大きな助けとなってくれるかもしれません。
 一方、太陽電池自体の価格も年々下がってきています。現在、1キロワットあたり70万円が相場で、平均的な家庭の電力を賄うには約4キロワット程度の太陽電池が必要ですので、一般的な家庭が太陽光発電を導入する場合、約280万円掛かる計算となります。また、最近の太陽光発電システムは性能も格段に上がり、2010年現在では1990年代と比べ、ほぼ倍の電気の変換効率があるといわれています。
●太陽光発電のメリット
●初期費用回収イメージ
●2009年から太陽光発電システムを設置する家庭に補助金を支給
 経済産業省では、2009年から太陽光発電システムを設置する家庭に補助金を支給する制度(住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金)を導入しました。この補助金は、2009年11月20日〜2010年3月31日まで(2009年度補正予算分)の募集ですが、補助金は1キロワットあたり7万円と規定されています。
 一方、国以外にも補助金制度を導入する県や市などの地方自治体が増えています。具体的なケースを見ていくと、東京23区の中で最も補助金の高い大田区の場合、1キロワットあたり国の補助金は7万円、東京都の補助金10万円、区の補助金10万円で合計は27万円に上ります。一般的な家庭の電力を賄うためには4キロワット程度の太陽電池が必要といわれていますので、その平均値で計算するとシステム購入時には合計108万円支払われる計算になります(2009年から、一般家庭に太陽光発電を導入する際、国や県、市などの地方自治体から出る補助金は年度ごとに異なります)。
●東京都大田区の補助金例(平成21年1月現在)
●2009年11月より「余剰電力買い取り制度」始まる
 政府は、2009年11月より、個人の家で発電した電力を電力会社が一定の割合で買い取る「余剰電力買い取り制度」を実施しています。2010年現在の余剰電力の買い取り価格は、1キロワット時あたり48円と規定され、この価格は政府により10年間にわたって保証されています。この制度により、日本の太陽光発電の普及を促すことで、地球温暖化防止はもちろんのこと、景気の底上げにも大きくつながると政府は期待しています。
●補助金、売電契約手続きまでの流れ
3.太陽光発電を取り巻く社会の動向
 急速な発展を遂げる太陽光発電ですが、今後は補助金を使って多くの家庭で太陽光発電システムを導入し、近い将来には、余剰電力を売電する家庭も増加すると見込まれます。
 一方、政府、県、市などによる補助金の告知や、政府、電力会社からの売電の告知なども活発化しそうです。また、政府は太陽電池メーカーや、住宅メーカーが行う太陽電池のピーアールを積極的にサポートするとともに、政府が行うピーアールとの連携も図っていくと表明しています。
 現在、堺市や川崎市、新潟県などにメガソーラー発電所の建設が予定されています。今後は、太陽光パネルメーカーや電力会社、ガス会社などのエネルギー会社、地方自治体、政府が一体となって事業が展開していくと予想され、太陽電池を取り巻く産業はより活性化されると期待されています。そうした中、消費者へ向けた告知なども頻繁に行われると予想され、今後の印刷、帳票需要は、個人対政府、個人対自治体はもちろんのこと、企業対政府、企業対自治体、企業対個人など複合的な広がりを見せていくと見込まれます。
 次回は、太陽光発電とガス発電による話題のW(ダブル)発電や電気自動車を組み合わせた際の太陽光発電の広がりなどに触れ、印刷や帳票需要の将来的な展望について考察していきます。
●太陽光発電を取り巻く企業、個人、政府、自治体の流れ
 
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