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拡大する健康ビジネス<第2回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
拡大する健康ビジネス<第2回> 2008/10/10
1.いよいよ始まったメタボ健診
2.メタボ健診の流れと印刷物の可能性
3.薬事法改正に伴う印刷ビジネスへの波及
1.いよいよ始まったメタボ健診
 今年4月から始まった「特定健康診査・特定保健指導」、通称“メタボ健診”。すでに40歳から74歳の医療保険加入者に健診の申込書が送付されました。健診の案内書や申込書、記入例、実施機関一覧表など多くの印刷物が同梱されていて、印刷業界との関わりが感じられます。
メタボ健診は始まったばかりで具体的な受診データはまだ発表されていませんが、国は目標として5年後の2012年度末で、受診率65%、保健指導実施率45%、メタボ予備軍の減少率10%を掲げていいます。 各区市町村や健康保険団体は、この目標をクリアしないとペナルティーが課せられ、後期高齢者医療制度の負担金が最大10%増えることになり、その額は市レベルで億単位にもなると計算されています。
政府管掌健康保険が実施している「生活習慣病」の受診率は29.3%(2005年度厚生労働省調べ)であることから、各自治体や健保団体では、今後、受診率を高めるためにさまざまなPR作戦を展開し、より多くの印刷物や情報ツールへの需要が見込まれると予想されます。
●受診券(左)と問診表(右)の例
2.メタボ健診の流れと印刷物の可能性
 メタボ健診は、大きく分けると図のように「特定健康診査」と「特定保健指導」の2つに分かれます。
まず実施機関で特定健康診査を行い、腹囲や体重を基準にした指標と追加リスク(血糖、脂質、血圧)を測定します。健診の結果が基準値を超えると要保健指導の対象となり、リスクの程度に応じて「動機付け支援」「継続的支援」に分類され、最大6ヵ月にわたって継続的な生活習慣改善指導を受けることになります。
ほとんどの医療保険者が、これらの業務を外部の実施機関に委託しますが、そこには受診案内をはじめ、受診券・利用券、結果報告書や指導計画書、委託契約書など、さまざまな書類や印刷物が介在してきます。
また、健診や保健指導をどこに委託するかは医療保険者の判断に任されているため、実施機関側でも健診や保健指導プログラムの広報に力を入れるなど、メタボ健診を踏まえてのビジネスが活性化しています。
●特定健康調査・特定保険指導の流れ(委託により実施する場合)
「特定健康審査受診結果通知書」(左)と「特定保健指導計画及び実施報告書」(右)の例
特定健診の実施に当たって、さまざまな代行入力機関の設置が予想されています。
文字入力による電子化は、誤入力や入力経費の増加が懸念されるため、厚生労働省や日本医師会では簡素化された帳票類の標準的な様式を提供し、これらの帳票を用いてデータの電子化に取り組むことを理想としています。
 例えば、健康保険組合などの健保関連事業所では受診率を上げるのと同時に、保健指導実施率やメタボ予備軍の減少率の目標をクリアするため、フィットネスクラブとの提携やカロリーコントロールの実施など、サポート業務を継続的にアウトソーシングする必要に迫られ、健康関連ビジネスの拡大につながってきます。 
また、印刷関連でも、自治体や医療保険者へ有償で配布する「特定健診メタボ対策図書」を発行する会社が現れています。
食品業界では、冷凍食品大手のニチレイフーズが、今年7月からカロリーに配慮した「気づき食®」を企業の健保組合向けに発売しました。冷凍総菜に、「目盛り付きご飯茶わん」や「メタボ対策テキスト」をセットするなど、付加価値をつけている点が注目されています。
こうした新たなメタボ対策商品の登場が続くと、それを紹介するパンフレットや印刷の需要も広がってきます。
●メタボ対策図書の一例
▲有限会社ラコントゥルHP(http://www.recontre.net)より転載
●ニチレイフーズ「気づき食®」のセット例
3.薬事法改正に伴う印刷ビジネスへの波及
 一方、2009年度に施行される改正薬事法に向けて、流通分野でも新しい動きが進んでいます。今回の法律改正は、主に医薬品販売の規制緩和が中心となります。以前にもご紹介しましたが、一般医薬品をリスクの程度に応じて三つ(下表参照)に分類し、そのうち、第一類以外の医薬品は薬剤師でなくとも都道府県で実施する試験に合格した「登録販売者」であれば販売が可能となります。
このため、コンビニなどでも、かぜ薬、胃腸薬、解熱・鎮痛剤などの一般医薬品の販売ができるようになり、24時間営業の利便性がさらに高まる期待されています。この分野で競合するドラッグストアでは、すでに24時間営業を視野に入れたチェーンも現れてきています。一般医薬品は単価も粗利益率も高いため、さまざまな分野から参入することが予想されます。
こうして、医薬品販売がより便利で身近になる一方、購入者の立場からより正確で分かりやすい情報を得るための書類や表示・陳列方法が求められています。また、医薬品や健康食品は、効能や効果を一方的にうたった表現ではなく、薬事法・景品表示法にのっとった表示や販売方法が必要です。その対策として、2008年夏から始まった登録販売者の資格試験に向けて、受験対策や薬事法改正に対応するための講習・セミナーなどの関連事業が活発に行われています。
各製薬会社や店舗では、医薬品のリスクを外箱に表示したり、店頭のPOPやミニカタログ、チラシなどを利用してリスクと効能を分かりやすく伝えるなどの工夫に取り組んでいます。また、POSやバーコードを利用して医薬品の情報を画面に表示したり、添付文書を発行してお客様に手渡しするシステムの売り込み競争が続いています。
高齢化社会が進み、政府の財政支出が抑制される中、健康を切り口にした商品やサービスの開発はこれからもますます拡大すると予想されます。「自分の健康は自分で守る」というセルフメディケーションの時代、印刷業界でもより分かりやすく正確な情報ツールを開発し、提案していくことが新しい課題となっています。
●(1)リスクの程度に応じた一般用医薬品の分類●(2)リスクの程度に応じた情報提供
※第1回「登録販売者試験」の現況
改正薬事法に基づく「登録販売者試験」が全国で行われています。試験は8月12日(火)の関東・甲信越エリアを皮切りに全国でブロック単位(北海道・東北、関東・甲信越、東海・北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄)で実施されています。
試験内容は、「医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)」、「人体の働きと医薬品(20問)」、「薬事に関する法規と制度(20問)」、「主な医薬品とその作用(40問)」、「医薬品の適正使用と安全対策(20問)」の120問120点満点で、総合得点70%以上、かつ各科目35%以上得点で合格となります。 現在のところ受験者28,286名、うち合格者20,843名で合格率74%という途中結果が発表されています。
第2回「登録販売者試験」は東京都の12月25日(木)を皮切りに順次開催される予定となっています。
 
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