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拡大する健康ビジネス<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
拡大する健康ビジネス<第1回> 2008/9/10
1.健康ビジネスとは
2.メタボ対策で膨らむ健康ビジネス市場
3.健康ビジネスの新しい流れ
4.健康ビジネスと情報サービス
1.健康ビジネスとは
 さて、ひと言で健康ビジネスといっても、いったいどこまでが健康ビジネスの範疇に入るものでしょうか。専門的にいえば切り口はさまざまですが、分かりやすい例として、「基本的に医療でないもので、予防や健康増進、初期的なケアに関わる商品、サービス、情報の提供など」(※1)と定義されています。具体的には「健康管理全般」「スポーツ」「栄養・管理」「リフレッシュ」の4つのカテゴリーのいずれかに当てはまり、かつ医療保険・介護保険を使わないビジネスとの解釈が一般的です。
2006年5月、厚生労働省は初の全国調査で、40〜74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人(計1,960万人)が、脳卒中や心筋梗塞などになる危険性が高い「メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)」(※2)と、その予備軍だったと発表しました。この調査結果を受けて厚生労働省は2008年4月より、40〜74歳までの医療保険加入者を対象に「メタボリック検診(特定健康診査・特定保健指導)」を義務づけました。
これまでも年々拡大していた健康ビジネス市場ですが、今後はこうした国の政策と相まって、健康に関する関心が一段と高まり、いわゆる“メタボ対策”関連のさまざまな産業分野での高成長が期待されています。
●主な健康ビジネスの商品・サービス概要

※1:三菱UFJリサーチ&コンサルティングシニアコンサルタント、高橋千枝子さん。
※2:メタボリック・シンドロームとは、内臓に脂肪がたまり(腹部の肥満)、高血圧や高血糖、高脂血症などの症状が一度に複数出ることを指す新しい考え方です。「メタボリック」は「代謝」の意味で、代謝異常が起きていることを示します。
2.メタボ対策で膨らむ健康ビジネス市場
 「メタボリック健診元年」と呼ばれる2008年。総対象者が5,600万人と見込まれる特定健康診査や、メタボリック予備軍と診断された人々に対する特定保健指導が開始されました。その市場規模は特定健診が約2,000億円〜3,600億円、保健指導が約700億円〜1,400億円と見込まれています。健康保険組合をはじめとする医療保険者の大半がこれらのサービスを外部の医療機関などに委託するため、既存の健診サービスや予防プログラムに対する需要が拡大し、健康への関心がさらに高まることが期待されます。
また、政府の「経済成長戦略大綱」(※3)によれば、健康ビジネスは政策重点6分野(※4)のひとつと位置づけられており、今後、政府による政策的なバックアップも期待されています。
矢野経済研究所が昨年5月に作成した「2004年のメタボ関連市場規模」の調査結果では、メタボ関連の「予防」「診断」「改善・治療」にカテゴリー分けした3分野(※5)合計で、約7兆5,000億円もの市場規模となっていることが分かりました。7兆円超規模の業界というのは、百貨店業界全体の売上に匹敵するほどのマーケットです。中身を見てみると、「予防」分野7,330億円、「診断」分野で3,265億円、「改善・治療」分野で6兆5,000億円弱となっています。つまり、メタボ以前のマーケットである「予防」「診断」分野でも、約1兆円を超す市場規模となっているのです。中でも特定保健用食品(トクホ)は4,700億円で、「予防」と「診断」分野合計の44%を占めるなど、中性脂肪や体脂肪対策の関連商品の伸びが際立っているのが特徴的です。

※3:「経済成長戦略大綱」2006年6月26日、経済財政諮問会議発行。
※4:政策重点6分野とは「健康・福祉、育児支援、観光・集客、コンテンツ、ビジネス支援、流通・物流」の6分野のこと。政府は需要の創出・拡大、生産性の向上の両面から重点的に政策を講じることにより、2015 年までに、70兆円の市場規模拡大を目指します。
※5:「予防」、「診断」、「改善・治療」の3分野とは
予防:特定保健用食品(トクホ)などの“食品・栄養”とフィットネスクラブやフィットネス機器などの“運動”からなる検診・健診などが含まれる。診断:家庭用血圧計・歩数計など家庭用健康管理機器など。改善・治療:糖尿病や高血圧の医療費などを指します。
●特定検診の市場規模
●ヘルスケアサービス・商品の市場規模予測
3.健康ビジネスの新しい流れ
 健康ビジネスが拡大している背景には、健康な人を対象としたサービスや商品の台頭が挙げられます。特に、経済の停滞や高齢者人口の増加、年金不安など、さまざまな将来への不安に対して、健康な中高年も「健康こそが財産」として自己防衛に走りつつあるのも原因となってるようです。
将来への不安はまた、美容や老化対策(アンチエイジング)の分野にまで影響を及ぼし始めています。若い女性を中心としたデトックス(体内にたまった毒素を取り除く健康法)ブームやミセスに話題のアンチエイジング分野は、健康な人を対象にした代表的なサービスで、いつまでも若く、美しいままでいたいという女性願望をうまくとらえて市場を拡大しています。
こうした健康関連ビジネスにはさまざまな業界・業種から参入していますが、即効性が見えにくい分野だけに、使用への不安や信憑性に疑問をもたれることが多いのも確かです。そこへ社会的信用度の高い大企業が、科学的に裏付けのある商品やデータに基づいたサービスを消費者に受け入れやすい価格で提供し始めたこともまた、市場拡大に貢献しているといわれています。
日本経済新聞社がまとめた2008年上期のヒット商品番付には、「糖質・糖類ゼロ飲料」、ワコールの男性用下着「クロスウォーカー」、任天堂の「Wii Fit」など、健康をテーマにした新商品がランキングされています。これらの商品を見てみると、消費者は健康商品・サービスに対して、“楽しみながら健康になれる”方法を求めていたり、“多少高くても健康に良さそうなもの”を選択しようとする意識があることがうかがえます。
健康ビジネスの中で勝ち抜くには、このような消費者の嗜好をとらえることが必要です。しかし、消費者の嗜好は新しいものに移りやすく、必ずしも持続的に売れ続けるとは限りません。ゆえにマーケットのリサーチや継続して利用を促す対策が重要なポイントとなってきます。
■日経MJ2008年上期のヒット商品番付に見られる健康商品
●横綱:糖質・糖類ゼロ
糖質・糖類ゼロの低アルコール飲料や糖質ゼロの缶コーヒーが、大手各社から新発売。各社ともメタボリック対策を意識した男性をターゲットにすることで、当初の目標を大幅に上回る好調な売れ行きを続けている。
糖質・糖類ゼロ
●前頭:クロスウォーカー(ワコール)
独自のクロス構造により、着用すると歩幅が自然と広がって筋肉が鍛えられ、長期間着用することで体型を引き締めながらボディラインを美しくするというメンズインナー。2005年秋に発売された女性用の「ヒップウォーカー」は、2008年3月までに760万枚の爆発的ヒットを記録しており、男性用商品の発売が待たれていた。初年度20万枚の販売を見込んでいたが、6月末で既に28万枚を超えるヒット商品に。
クロスウォーカー(ワコール)
●前頭:ニンテンドーWii Fit(任天堂)
2007年10月、健康を管理するゲームソフトとして登場。「ヨガ」「筋トレ」「有酸素運動」「バランスゲーム」などのトレーニングや運動感覚を向上させるゲームが搭載され、体のバランスが良くなった、運動する時間が増えた、家族で楽しめるなど、健康を意識した商品として高い人気を呼んでいる。
4.健康ビジネスと情報サービス
 健康ビジネスを成功させる視点として、民間のシンクタンクである(株)日本総合研究所は、次のような3つのキーワードが存在すると分析しています。

健康ビジネスの3つのキーワード
1.効果や効能が目で見て分かること。
2.努力しなくても使い続けられること。
3.使っていて楽しい・面白いこと。
出典:日本総合研究所ホームページ<健康ビジネスを見る視点>より

これらの項目でも分かるように、健康に関わる商品やサービスのほとんどが、継続して利用することによって効果が実感できるという特性を持っています。そのため広告や印刷物などの情報メディアでは、お客様に手軽に試していただくこと、さらに継続して使い続けられるような楽しさや変化を提供していくこと、実際に使ってその効果や成果が実感できるような工夫を行うことが重要となっています。
こうした継続的な利用を促すプロセスを、化粧品や健康食品、ダイエット商品をはじめ、健康ビジネスに取り組む数多くの企業が実施しています。
その一例が、日本のサニーヘルス社などが提供している「マイクロダイエット」などの継続的なダイエットプログラムです。これらのプログラムには、手軽に始められるお試しキットから、食品に対する分かりやすいポイントやメニューの提供、プログラムを実践している会員のさまざまな体験談やアドバイスなどを掲載したガイドブックなどの印刷物が用意されています。こうしたツールを組み合わせて、楽しみながら使い続けていくうちにその効果が目で見て分かるような工夫を行っています。
また、富士フイルムが販売しているサプリメント、「メタバリア」「オキシバリア」は、効能や効果が一般的に認知されている成分同士を、目的に応じて適正配合する技術を確立したことで、効能が消費者に理解しやすい商品となっています。
このように、健康をテーマにした商品・サービスは、印刷物を基本としたさまざまな情報ツールを使っていかに継続的な利用を促していくか、その効果を目に見えるカタチで表現できるかが欠かせない条件となっているようです。今後も健康をテーマにした新しい商品やサービスが登場するたびに、その商品を取り巻く印刷需要は増え続け、健康ビジネスの隆盛は印刷業界にとっても追い風となっていくことでしょう。

さて、次回のレポートは、
・「メタボリック健診」や「薬事法改正(平成21年度より施行予定)」の実施に伴う検診案内や医薬品情報を提供するための印刷ツール(冊子や告知用リーフレット・ポスターなど)、および検診の現場で使われている診断票や帳票類などの紹介。
・健康ビジネスに求められる情報提供の特性をふまえた印刷ツールの取り組みと展開。
・健康の維持・管理のための継続的なプログラムを実施する上で必要とされる、印刷物や情報ツールに関する最新情報。
以上、健康ビジネスの現場から見た、印刷物に関わる情報を中心にご紹介します。
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●メタバリア

糖や脂肪の多い食事をしがちな人、体内環境を整えたい人向けの「メタバリア」
  ●オキシバリア

健康な体を維持し、より元気な毎日を過ごしたい人向けの「オキシバリア」
 
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