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当世フリーペーパー事情<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
当世フリーペーパー事情<第1回> 2008/7/10
1.フリーペーパーの現状
2.フリーペーパーは、より細分化・多様化へ
3.フリーペーパーの成功事例、失敗事例に学ぶ
1.フリーペーパーの現状
 ここ数年、フリーペーパーが急増しています。駅構内や商業施設など、街中のいたるところに配布のためのスタンドが設置され、さまざまな媒体が簡単に手に入るようになってきました。JAFNA(日本生活情報紙協会)によると、国内のフリーペーパー発行会社は1,445社前後、年間の総発行部数は約100億部(2007年)と推計。フリーペーパーの実質的な発行部数は有料誌の約2.5倍の規模に達しています。
フリーペーパーは、もともとは「サンケイリビング」や「ショッパー」などに代表される地域密着型主婦向けのタブロイド判の形態が中心でしたが、2000年以降マガジンタイプの発刊が相次ぎ、2004年にはリクルートから「R25」が創刊されるなどで、注目を集めるメディアに成長してきました。
新規創刊誌数は年間で200を超えるものと推定され、そのうちマガジンタイプが約3/4を占めています。また、媒体数の41.0%、発行部数の65.3%が、関東で発行されています。しかし、媒体数の最も少ない中国・四国でも105のフリーペーパーがあり、全国的に広がっているのも見逃せないポイントです。しかも、日々創刊、廃刊の繰り返しと、発行チャネルの多様化により、日本のフリーペーパーは、その全貌が把握できないほどに拡大しているのが現状です。
かつてのフリーペーパーは情報量が少なく、生活情報や地域に密着した情報、イベントや娯楽関係の情報などが中心でしたが、就職やアルバイトの情報、クーポン付きタウン情報誌によって実用性が高まり、2004年7月にはリクルートが首都圏の若手ビジネスマンを対象に、政治や経済からエンターテイメントまでの情報を提供する「R25」を創刊し、かつてのフリーペーパーの概念を一新しました。
●フリーペーパーの発行状況
●フリーペーパー紙誌数と発行部数
●フリーペーパーの種類
●都道府県別の発行状況
2.フリーペーパーは、より細分化・多様化へ
 ターゲットへ確実に届けるための工夫として、セグメントの細分化・多様化が進んでいます。どのターゲットを狙ったものなのかが明確でなければ費用に見合う効果を見込めず、広告主の協賛は得られません。ターゲットの絞り込みの例としては、小中学生や学生、独身女性、中高年層など年齢・属性で切ったものや、銭湯、高速道路といった特定の場所を狙ったもの。また、ブライダル、スポーツなど、シーンを想定して配布するものなども登場。狙うべきターゲットの裾野は広がるばかりです。
広告業種としては、主婦向けの「グルメ」「ショッピング」「美容」「カルチャー教室」「不動産」などが主流となっていますが、昨今はターゲットの多様化により、「情報通信(携帯電話)」「映画」「投資」など広告業種も多様化が進んできています。
配布方法は新聞折り込みの比率が減少し、店頭・駅設置、街頭配布の比率が急増し、さまざまなスタイルで配布されるようになってきました。しかし、目新しさが薄れてきたこともあってか、ラックに入れて「ご自由にどうぞ」では想定ターゲットに対し、限られた期間で目標の部数を正確に届けることが難しくなってきています。その解決策のひとつとして、書店のPOSレジにお客様属性と購入雑誌及び配布物の紐付け機能を搭載し、購入時点で正確にターゲットに該当配布物を手渡せる新しいシステム(日販)も登場してきています。
また最近の消費者は、携帯電話やインターネットサイトからの情報取得率が高い傾向にあることから、「HOT PEPPER」、「R25」などの大手ではモバイルサイトを展開。また日販では、同社のフリーマガジン「花日和petit」の誌面のほとんどにQRコードや2次元バーコードを掲載し、携帯電話・インターネットのトップページをイメージさせています。レスポンスは非常に良好で、配布部数の50%を超えるアクセスや引換券使用を記録したこともあるようです。
このような情報に感度の高い読者達は、デジタルとアナログの両方の情報から自分に合ったメディアを選択し、購買を決定するという時代でもあり、メディアミックスを配慮した展開がますます重要になってきています。
●配布方法
●読者ターゲット
3.フリーペーパーの成功事例、失敗事例に学ぶ
 フリーペーパーの発刊は年々増加傾向にありますが、その分、休刊になるフリーペーパーが多いのも現状です。創刊にあたり、どの層をターゲットにし、どのようなテーマにするのか?どこへ配ればいいのか?淘汰されていくなかで、他誌との差別化が求められています。このフリーペーパーなら広告を載せたい!と、広告主に思わせるフリーペーパーこそが勝ち組となっていきます。
成功例としては、「ぱど」のように全国展開を進め、総発行部数が1,100万部を超えてギネス記録に認定されたものもあります。また、有料情報誌「東京ウォーカー」などで知られている角川クロスメディアが2006年4月に創刊した「ハイウェイウォーカー」は、東日本のサービスエリア・パーキングエリア177カ所で毎月80万部を配布し続けています。“ドライブ”を切り口とした明快なターゲット設定の誌面は、高速道路沿いの行楽情報やグルメ情報、連載小説なども載せた有料誌なみの充実ぶりです。高速道路地図なども掲載されていて、保存性の高いものとなっています。
変わったところでは大阪府が海外の観光客を誘致するために発行している季刊のフリーペーパーがあります。英語・中国語・韓国語・朝鮮語の4カ国語版(合計約16万部発行)で、大阪のイメージアップを狙ったものです。すでに第8号を発行していますが地方自治体初の試みだけに、成り行きが注目されています。
一方、注目を浴びつつも失敗した例もあります。2006年に創刊された初の無料漫画雑誌である「コミック・ガンボ」は、創刊当初こそテレビや雑誌などのメディアにも取り上げられ話題になりましたが、約1年後には休刊となってしまいました。
「コミック・ガンボ」は会社帰りのサラリーマン、帰宅途中の学生を狙って夕方を中心に配布していましたが、「さまざまな人に読んでもらいたいので色々なジャンルの漫画を載せています」という発行者側の八方美人的な思惑が、逆に “ターゲット不在”を招いてしまったのです。
デザインやイメージ訴求はもちろん大切ですが、いかにターゲットをセグメント化し、それに合った情報を的確に発信することができるか、発行者側とクライアントの目指すベクトルこそ、最も重要なポイントといえるのではないでしょうか。
次回はフリーペーパーから派生するビジネスや印刷業界の取り組みについてレポートします。
「ハイウェイウォーカー」北海道版(左)と大阪府の「海外向け総合情報誌」韓国版(右)
●一番よく読まれた媒体(閲覧率)ランキング
 
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