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保険商品の「銀行窓販」 全面解禁<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
保険商品の「銀行窓販」 全面解禁<第2回> 2008/6/10
1.海外の銀行窓販事情
2.窓販に向けた保険会社と銀行の取り組み
3.パンフレットは分かりやすく刷新
4.インターネットを使った「窓販」の進化系が登場
5.まとめ
1.海外の銀行窓販事情
 アジアを含む諸外国では、日本に先駆けて保険の銀行窓販が解禁されており、銀行窓販は既に主要な保険販売チャネルに成長しつつあります(表参照)。
例えば中国では経済成長とともに保険加入率が激増。窓販が解禁になったのは90年代後半から2000年代初頭ですが、既存の生保チャネルよりも信頼度の高い銀行窓販に集中しています。
一方、欧州における銀行窓販のシェアは二極化傾向にあります。スペイン、イタリア、フランスなどの南欧諸国の窓販シェアは60%を超えているのに対して、ドイツ、イギリスは20%にも届いていません。これには銀行のネットワークが関係しています。南欧諸国は銀行支店網が発達しており、他の金融機関よりも利便性が高く、一方、イギリス、ドイツでは銀行よりも、独立エージェント(保険外務員)が発達しているという保険先進国ならではの事情があるようです。
またアメリカではいまだ銀行窓販の認知度が低く、消費者の約半数が銀行で保険を購入できることを知らないようです。販売実績の大半は年金関連商品で、定期預金の代替商品として積極的に販売してきた経緯があります。銀行にとって個人向け貸出と比べて収益性の低さ(収益率は個人貸出が15%超、保険は10%前後)も窓販が伸びない理由となっているようです。
こうした各国の傾向をみていくと、日本は保険大国であると同時に銀行網の発達も著しいことから、ともに共存共栄を満たす第3の道を歩んでいくと推測されています。
●各国の保険窓販シェア
2.窓販に向けた保険会社と銀行の取り組み
 保険業務が全面解禁となって間がない現在ですが、保険会社および銀行は既に窓販拡大に向けた新たな取り組みを始めています。
●住友生命保険:この5月から郵政グループとの関係強化のため、全国の78支社すべてにゆうちょ銀行など日本郵政グループ各社を専門でサポートする“郵政サポート担当”を配置。全国規模で専任担当者を配置するのは大手生保では初めての試みとなっています。
●三井住友海上メットライフ生命保険:開業6年を迎える同社は、個人年金保険の銀行窓販に特化しており、今後も市場拡大に向け各金融機関の販売担当者に対する教育面のサポートを積極的に実施.。年間1万人の研修を目指す計画です。
●明治安田生命保険:5月から、保険金の請求手続きや商品パンフレットなどについて意見やアドバイスを受ける「消費者モニター制度」を新設しました。
また大手銀行も体制強化に乗り出しました。
●三菱東京UFJ銀行:保険取扱店舗を2割強から4割に増強。商品は介護保険など6種類に拡大。保険を販売する担当者を370人から、この秋までに500人に増員の予定です。
●りそな銀行:当初130人だった保険窓口担当者を1,500人に増員。6月には保険商品専用のコールセンターを設置する予定です。
各銀行には新規契約の際に内容が分かりづらいとの不満が寄せられており、カタログ表現を分かりやすくするだけではなく、保険担当者の対応や保険商品説明のスキルアップを目指すなど、さまざまな取り組みを始めています。
3.パンフレットは分かりやすく刷新
 銀行窓販が解禁になったとはいえ、大手銀行が体制強化を表明したのはやっと5月になってから。販売体制が生保なみに整備されるのはまだこれからといった状態です。少数精鋭の窓販担当者だけではマンパワーが足りず、取り急ぎ補充した経験の浅い担当者にも説明ができるように、生保や損保各社はパンフレット類を“より分かりやすく”刷新して銀行へ供給することで、窓販における販売拡大対策に乗り出したようです。
例えば、東京海上日動と三井住友海上は、これまで商品種別ごとに異なっていた特約の内容、約款用語などを簡素化し、さらに共通化。住友生命保険は顧客が必要とする保障内容を具体的にイメージしやすいように改訂しています。
さらに、損害保険ジャパンはじめ東京海上日動、三井住友海上など大手損害保険会社は、収入保険料の半分程度を占める主力商品である自動車保険について、5月以降、相次いで新商品を発売しました。
こうしたパンフレット類の改訂や刷新は、銀行窓販が定着するまで試行錯誤が繰り返される可能性があり、印刷業界にとってもビジネスチャンスになると期待されます。
(左)三井住友銀行は店頭の誰でも手に取れる場所にリーフレット「家族の保険 早わかりBOOK」を配置。
(中)三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行が扱う生命保険、医療保険のパンフレット、商品一覧リーフレット、約款等。支払い申込書や意向確認書などは銀行控も含め、ノーカーボン帳票3Pとなっています。
(右)りそな銀行が扱う医療保険、生命保険パンフレットの一例。表紙には銀行名・保険会社名が併記されています。
4.インターネットを使った「窓販」の進化系が登場
 また、「銀行窓販」の進化系も登場しています。
昨今、自動車保険は“ネットで契約”という人が増えており、その先陣をきって急成長してきたのが三井ダイレクト損害保険。自動車保険の増加率は業界トップで継続率も9割を超えています。契約のスピードに加え、保険料の割安さ、さらに“対面”しなくて済む面倒のなさが増加の要因のようです。
この成功例を意識してか、いちはやくネット通販に着目した銀行が広島銀行。同銀行のウェブサイトを使ってソニー損保の自動車保険の通信販売を開始しました。ネット通販を「窓販」の進化系と捉え、新たなチャネルに成長させようと模索し始めています。
こうしたネット活用は大手の生保各社にも広がっています。日本生命はこの4月、若者向けのウェブサイトを開設。住友生命保険は三井住友カード会員向けにウェブサイトで保険商品やサービス情報を提供するなど、銀行や保険会社のネット活用がさらに拡大する兆しが見え始めています。
広島銀行のウェブサイトに登場したソニー損害保険のバナー広告
5.まとめ
 銀行の保険窓販のメリットは、複数の保険会社の商品から、自分に合ったものを相談しながら選べるところにあります。しかし、現状では、販売スタッフのスキルと商品ラインアップに多くの課題が残されています。
「保険販売は人材がすべて。仕組みが複雑な商品を販売できる、レベルの高い人材をそう簡単には育成できない」また「保険販売経験のあるスタッフを雇用したとしても、本当に知識がある人とは限らない」と見ている保険関係者が多いのも事実です。
しかし“売る側が理解できない商品は売れない”という現状をふまえると、加入申込書や契約書など一般の帳票類だけではなく、複雑で分かりにくい商品の特長を理解するためのカタログや商品を売るための販売マニュアルなどの社内向け教育・研修用ツールの作成は不可欠です。
さらには商品内容や契約のメリットなどが、より分かりやすく表現されたお客様向けパンフレットをはじめ、商品PRポスターや店頭POPなどの販売促進ツールも必要なアイテムです。保険を手数料販売の主力に据えたい銀行側と、また自社の商品をしっかり売ってもらいたい保険会社側の思惑などもからんで、こうした多種多様な印刷ツール需要が期待できそうです。
アフラックは銀行向け販促グッズとして、ポスターや
マスコットなどを制作して配布しています。
(写真はりそな銀行の保険窓口)
●印刷需要が予測される主なツール
・契約用各種帳票類(契約書、口座などの支払い申込書、意向確認書、告知書等)
・販売担当者教育用マニュアル
(接客マニュアル、商品マニュアル、応対話法マニュアル)
・店頭告知用POP
(懸垂幕、告知シール類、卓上POP、販促用グッズ)
・お客様向け各商品パンフレット、約款など
 
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